新NISAでの運用が本格化する中、短期間で利益が出た際にそのまま保有を続けるべきか、一部を確保して再投資すべきか悩む投資家は少なくありません。特に「SP500への積立投資」で評価益が出た際にどのような判断をすべきかについて、本記事では複数の観点から解説します。
まずは現状把握:評価額と損益の関係
たとえば現在の評価額が2,478,976円で評価損益が+478,969円の場合、元本は約200万円。約24%の含み益が出ており、短期間でこれだけの利益を得た場合は誰しも「確保しておきたい」と考えるものです。
しかし、NISAの特徴として売却すると非課税枠を消費してしまうため、単純な売却・再購入が損になることもあります。
NISAで途中売却した場合の仕組み
NISA口座内で保有する資産を売却しても売却益は非課税であり、現金として受け取ることができますが、その枠を再利用することはできません。
したがって、一度売却すると、その年の非課税枠(例:成長投資枠240万円)を消費してしまい、再び購入してもそれは新たな投資枠の消費になります。
短期的な利益確保は「あり」か?
将来の不確実性に備えて一部利益を現金化しておく判断は、資産防衛の観点からも合理的です。特に病気・失業など「何があるか分からない」ことを想定して生活防衛資金の一部として利益を取り出すのは有効な方法です。
例として、評価益のうち20万円だけ売却し、残りはそのまま運用を続けるという分割売却戦略を取ることも可能です。
長期投資でのメリットを逃さない
NISA制度の最大の魅力は長期で保有し続けた場合の非課税効果です。S&P500などのインデックスは、過去30年スパンで見れば平均7〜10%の年利成長をしており、保有期間が長ければ長いほど「複利効果」による資産拡大が期待できます。
途中で売却してしまうと、こうした複利成長の恩恵を断ち切るリスクもあるため、「利益確保したい気持ち」と「資産を最大化したい戦略」のバランスが大切です。
再投資をする際の注意点
利益を確保して一度全額売却し、その資金で再度S&P500を購入する場合は新たにNISA枠を使うことになります。年間の上限枠に近づいている場合は、これが不利に働く可能性も。
また、マーケットのタイミングによっては「売った直後に上昇」「買い直した直後に下落」などのタイミングリスクにも注意が必要です。
月5万円ずつ積み立てを続ける計画との整合性
現在、月5万円ずつ積立する予定がある場合、それを継続しながら一部の利益を取り出す戦略は非常に合理的です。特に心理的に安心感が増すことで、積立を途中でやめてしまうリスクを減らすという点で効果的です。
また、月5万円ずつであれば年間60万円、20年以上の運用でかなりの金額に成長する見込みがあるため、全体の資産設計を見ながら判断するのがベストです。
まとめ:利益確保は計画的に、NISAの制度を最大限活かす
・一部利益確保は「あり」だがNISAの非課税枠を消費する
・長期投資の恩恵(複利)を捨てないように注意
・資金用途が明確でないならそのまま保有も選択肢
・今後の月額積立と併せて長期戦略を構築することが鍵
NISAは制度をよく理解して使えば、極めて優れた資産形成ツールです。焦らず計画的に活用していきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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