4%ルールで資産を減らさないための投資戦略:定期預金からの次の一歩

資産運用、投資信託、NISA

資産形成やリタイア後の生活設計において「4%ルール」は広く知られる指針です。生活費を除いた資金をすべて定期預金に預けている方にとって、資産を減らさず安定した収入を得るにはどのような投資が適しているのでしょうか。この記事では、4%ルールを活かすための投資先とその理由をわかりやすく解説します。

4%ルールとは何か?

「4%ルール」とは、年間生活費の4%を資産から取り崩す運用を行えば、30年以上にわたって資産が枯渇しにくいという研究に基づく考え方です。主にアメリカのトリニティ大学の研究が根拠とされており、株式と債券の分散投資を前提としています。

例えば1,000万円の資産を運用している場合、年間40万円までなら引き出しても資産が長持ちするというモデルです。

定期預金だけでは4%ルールが難しい理由

現在の日本の定期預金金利は0.002%程度であり、インフレを考慮すると実質的には資産が目減りしている状態です。つまり、定期預金だけでは4%の取り崩しを補うことはほぼ不可能です。

そのため、資産の一部をリスクを抑えながらも利回りを期待できる投資商品に振り分ける必要があります。

4%ルールに適した主な投資先

  • 全世界株式インデックスファンド:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などが代表的。分散性が高く、長期リターンは年6〜7%程度が期待されています。
  • 米国株インデックスファンド:S&P500連動型ファンド(例:SBI・V・S&P500)。過去の平均年利は約7〜8%。成長性を重視するならこちらも有力です。
  • 債券型ETF:AGG(米国総合債券)などは比較的安定した運用が可能。株式とのバランスでリスクを下げる効果があります。
  • 高配当ETF:HDV、SPYDなどは年3〜4%の配当利回りを狙えるため、取り崩しなしでも一定の収入が見込めます。

実例:1000万円を4%ルールで運用するなら

仮に以下のように分散投資した場合を想定します。

商品 割合 期待利回り
全世界株式インデックス 50% 6%
先進国債券ETF 30% 2%
高配当ETF 20% 4%

この構成での期待平均利回りは約4.4%。これなら年間40万円の引き出しでも資産が減少しにくい運用が可能です。

分散投資とリバランスの重要性

投資比率は市場の動向によって変動するため、年に1〜2回はリバランス(元の配分に戻す作業)を行いましょう。これによりリスクの偏りを防ぎ、安定的な成長が見込めます。

また、生活費の必要に応じて取り崩す際には、値上がりした資産から順に現金化するなど、戦略的な取り崩しが資産寿命を延ばす鍵となります。

まとめ:堅実な投資で資産を守りながら増やす

定期預金に全額預けたままでは、インフレや低金利の影響で資産の実質的な価値が目減りしてしまいます。4%ルールを活かした資産形成のためには、適度なリスクを取ってインデックスファンドや債券を組み合わせる投資戦略が有効です。

「あまり損したくないけれど、着実に資産を増やしたい」という方には、分散投資と長期運用が最適解となるでしょう。

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