2025年夏、日本と米国間で交わされた通商協定により、自動車関税が25%から15%に引き下げられました。しかし、この関税緩和は本当に日本側が成果を挙げた交渉だったのでしょうか。
米国の関税政策とトランプ政権の戦略
トランプ氏は2025年4月、「Liberation Day」と称して、自動車を含む多くの商品に対し一律10%の基礎関税を導入し、特定国への追加関税も実施しました。その中で日本車は最大25%の対象となりました。ただし、協定後は15%に“調整”された形です。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
このような関税ショック戦略は、一度高くふっかけて交渉で譲歩を見せる、いわゆる「ドア・イン・ザ・フェイス」手法とも見なされています。
石破政権の交渉成果という見方は妥当か?
安倍・石破時代に重点的に関税交渉をしたとか交渉力が卓越していたという評価もありますが、協定内容そのものはトランプ氏主導でした。
実際、米側が15%を提示したのはトランプ政権の都合であり、その背景には日本からの投資約5,500億ドルや米国製品購入約束などの条件が含まれています。石破交渉との関連性は薄く、むしろトランプ側の演出である可能性が高いです。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
「不利が不利」の構図とは?
トランプ政権下での自動車関税政策では、日本車は15%、しかし米国や北米製造の車や部品には25%、さらに鉄鋼やアルミは最大50%の関税が適用されています。
このため、日本車に対する15%も緩和されたとはいえ、もともと低かった2.5%時代と比べ依然として高負荷であり、日本側が“得をした”とは言い切れません。むしろ関税自体が不利なのは不変です。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
他に交渉できる人物はいたのか?
仮に石破氏以外の政治家が交渉したとしても、トランプが掲げた枠組みと関税率を根本から変えることは困難です。
どの首相が担当していても、米側の提示に対して「25%を15%に引き下げる交渉」はほぼ同様の結果になっていた可能性が高いため、「石破だから上手くいった」という評価には慎重になるべきです。
トランプ劇場に踊らされたという見方もある
トランプ政権は交渉の中心的イニシアティブと情報コントロールを握り、高率関税という“脅し”を先に提示して譲歩を表面的に印象付ける手法を使っています。
したがって、日本側が筋を通して相手を出し抜いたという構図より、トランプ政権が設計したシナリオに乗せられて“合意に至った”という見方も成立します。
まとめ
日本の自動車関税が15%に引き下げられたのは、確かに従来より改善されたように見えますが、米国が一時的に提示した25%という“脅し”の中での調整にすぎません。
その意味で、「石破政権が交渉に優れていたから」と評価するのは評価過剰の可能性があり、実際にはトランプ政権の演出によって作られた合意だったとも考えられます。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント