株式投資において、特定口座で保有している株式をNISA口座に移したいと考える方は多いでしょう。しかし、この「買い直し」によって株主としての保有期間がどうなるのか、配当優遇や株主優待、長期保有の条件に影響があるのか、気になる点も多いと思います。この記事では、特定口座からNISA口座への買い直しに伴う保有期間の取り扱いについて、NTT株を例に解説します。
特定口座とNISA口座の違いとは
特定口座とは、証券会社が年間の取引損益や納税の手続きを代行してくれる口座のことです。一方、NISA口座は年間一定額の投資に対する売却益・配当金が非課税になる制度です。NISA口座は税制上有利ですが、年間の非課税投資枠(つみたてNISAや新NISAの制度により異なる)や保有商品の条件が定められています。
この2つの口座間で株式を移動させる場合、「移管」ではなく「売却後の買い直し」が必要となるため、別の取引として扱われます。
保有期間の「継続性」は失われるのか
重要なポイントは、特定口座で保有していた株式を一旦売却し、NISA口座で再度買い直した場合、「保有期間はリセットされる」ということです。
たとえば、NTT株を特定口座で3年間保有していた場合、その株主としての期間は一旦リセットされ、新たにNISA口座で取得した日からの計算になります。株主番号も新しいものが付与される可能性が高く、企業によっては株主優待や長期保有特典の対象外になることがあります。
NTT株の長期保有特典と影響
NTTを含む一部の企業では「3年以上継続保有」などを条件に、株主優待の内容がグレードアップする場合があります。しかし、NISA口座での買い直しにより証券口座が変更されると、企業側から見て「新規の株主」と判断される可能性があります。
この場合、株主優待の「継続保有」要件がリセットされ、一定期間は優待対象から外れることがあるため注意が必要です。詳細はNTTのIR情報や株主優待の要項を確認するのが確実です。
回避するための対策はある?
証券会社によっては「株主番号の引き継ぎ」や「長期保有判定に影響を与えない制度」を用意していることもあります。特に同一証券会社内で売却と買い直しを行い、証券会社に確認・申請をすることで、ある程度の継続性を維持できる場合もあります。
また、長期保有優遇がある企業株を移動する際は、事前にIRや株主優待事務局へ問い合わせることで、影響の有無を明確にしておくと安心です。
税務上の扱いと実務的注意点
特定口座で売却した時点で売却益があれば課税対象となります。一方、NISA口座で買い直した株式が値上がりしても、その利益は非課税です。ただし、損益通算や損失の繰越控除はできません。
また、NISAの年間投資枠を考慮する必要があるため、買い直しのタイミングや数量にも注意しましょう。年間の非課税枠を超えると、通常の課税口座での取引となってしまいます。
まとめ:NISA口座への買い直しは慎重に
特定口座からNISA口座へ同じ株式を買い直す場合、保有期間の継続性は基本的にリセットされると考えておくべきです。特に長期保有優遇制度がある銘柄では、株主番号や証券会社の取り扱いによって優待が受けられなくなる可能性があるため、事前確認が重要です。
税制メリットと保有実績のリセットとのバランスを見極め、適切なタイミングでの買い直しを検討しましょう。

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