株式取引をしていると、利益と損失が出る年もあります。「年内に利益と損失が同じ額だった場合、自動で損益通算されて課税されないのか?」という疑問は、特定口座(源泉徴収あり)を利用している投資家にとって非常に重要なポイントです。本記事では、SBI証券を例に、損益通算の仕組みや注意点を詳しく解説します。
特定口座(源泉徴収あり)とは?
特定口座とは、証券会社が年間の損益計算・納税処理を代行してくれる仕組みです。特に「源泉徴収あり」を選択すると、株の売却益が出た時点で自動的に税金(約20.315%)が引かれます。
逆に、損失が出た場合はこの税金の精算(還付)や相殺(損益通算)処理が年末に自動的に行われます。
年内の利益と損失は自動で損益通算される
SBI証券の特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、同一口座内の取引で年内に確定した利益と損失は自動的に損益通算されます。
たとえば、ある銘柄で10万円の利益が出て、別の銘柄で10万円の損失が出た場合、税務上は相殺されて利益ゼロとなり、税金が課されることはありません(源泉徴収済であれば年末に精算されて還付されます)。
自動損益通算がされる条件と注意点
- 対象は「同一の特定口座内」の取引に限られる
- 取引が「年内(12月末)」までに確定している必要がある
- 配当金との損益通算は「配当受入あり」に設定している場合のみ
異なる証券会社の口座や、NISA口座の損益とは通算できません。また、一般口座や別の特定口座との通算は確定申告が必要です。
年末に還付がある場合の流れ
年内に損失>利益となっていた場合、源泉徴収されていた税金の一部が戻る(還付)可能性があります。SBI証券では、12月末に自動で損益通算が行われた後、翌年1月中旬〜2月頃にかけて「特定口座年間取引報告書」が発行され、その内容に基づいて還付処理されます。
還付金は証券口座に自動で入金されます。ユーザーが特別な手続きを行う必要はありません。
確定申告は必要か?
基本的に、特定口座(源泉徴収あり)を選んでいる場合は確定申告は不要です。ただし、以下のようなケースでは申告した方が有利なこともあります。
- 他の証券口座の損益と合算したい
- 所得控除・医療費控除と合わせて税金の還付を受けたい
- 損失の繰越控除(翌年以降に損失を繰り越す)をしたい
申告することで税金が戻る可能性があるなら、確定申告を検討しても良いでしょう。
まとめ:SBI証券の特定口座なら損益通算は年内で自動処理
SBI証券の特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、年内の損益は自動で通算処理され、納税や還付も自動化されます。確定申告をせずに済むのは大きなメリットです。
ただし、口座をまたぐ損益通算や損失繰越を希望する場合は、別途申告が必要となる点を理解しておくことが重要です。年末に向けた取引計画の参考にしてください。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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