効用関数U=2q₁q₂+q₂から導く2財の需要関数の求め方と解説

経済、景気

本記事では、ミクロ経済学における効用最大化問題を通じて、2つの財の需要関数を導く方法を解説します。効用関数が非線形な形をしていても、ラグランジュ法を用いることで最適な消費選択を導くことが可能です。

問題設定と効用関数

消費者の効用関数が U = 2q₁q₂ + q₂ と与えられており、財q₁とq₂の価格をそれぞれ p₁, p₂、所得を I とします。このとき、消費者は所得制約 p₁q₁ + p₂q₂ = I の下で効用を最大化しようとします。

ラグランジュ関数による導出

ラグランジュ関数は以下のように設定します。

L = 2q₁q₂ + q₂ + λ(I – p₁q₁ – p₂q₂)

この関数について偏微分を行い、以下の1階条件を得ます。

  • ∂L/∂q₁ = 2q₂ – λp₁ = 0
  • ∂L/∂q₂ = 2q₁ + 1 – λp₂ = 0
  • ∂L/∂λ = I – p₁q₁ – p₂q₂ = 0

この連立方程式を解くことで、q₁とq₂をp₁, p₂, Iの関数として表す需要関数を導きます。

連立方程式の解法と結果

まず、1式より λ = 2q₂/p₁ を得ます。これを2式に代入すると。

2q₁ + 1 – (2q₂/p₁)p₂ = 0

すなわち、2q₁ = (2p₂q₂)/p₁ – 1 より。

q₁ = (p₂q₂)/p₁ – 0.5

これを予算制約式 p₁q₁ + p₂q₂ = I に代入して整理すれば、q₂をI, p₁, p₂の式として解くことができます。

最終的な需要関数

上記の操作を通じて導かれる需要関数は次の通りです。

  • q₂ = I / (2p₂)
  • q₁ = (I / (2p₁)) – (0.5)

このように、q₂は直接的に価格p₂と所得Iのみに依存し、q₁も同様に所得とp₁で決まる形になります。ただし、q₁がマイナスにならないように実際には非負制約が必要です。

注意点と実務的な補足

実際のミクロ経済分析では、効用関数が直交型や準線形型などの場合、同じ導出手順であっても導出結果の経済的意味合いに注意が必要です。

特に、「所得弾力性」や「限界代替率(MRS)」の概念と整合的であるかを確認しながら分析することが重要です。

まとめ

本記事では、効用関数U = 2q₁q₂ + q₂のもとで、2つの財の需要関数をラグランジュ関数を用いて導出しました。手順に慣れれば、他の複雑な効用関数に対しても柔軟に応用が可能です。

経済学を学ぶうえで、数学的な操作と経済的な意味合いの両方を意識することが、真に理解を深めるカギとなります。

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