クロス取引(つなぎ売り)で発生する配当落ち調整金に関して、「確定申告しなくても税金が戻るのか?」といった疑問を抱く投資初心者の方も多いでしょう。この記事では、特定口座・源泉徴収ありの場合における課税の流れと、還付の有無について具体的に解説します。
クロス取引とは?配当調整金の基本を理解しよう
クロス取引とは、同一銘柄の「現物買い」と「信用売り」を同時に行うことで、株主優待や配当を取得しつつ、株価変動リスクを回避する手法です。
この際、信用売り側で発生する「配当落ち調整金」は、実質的に配当相当額を支払う形となるため、課税上は「経費」にはならず、配当金との損益通算ができない点に注意が必要です。
特定口座・源泉徴収ありなら確定申告不要?
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、基本的には証券会社が年間の損益計算と納税を自動で行ってくれるため、確定申告の必要はありません。
しかし、配当金は自動的に口座内で税金が差し引かれている一方で、配当調整金は特定口座の損益計算に含まれないため、その差額分について自動還付されるわけではありません。
確定申告で配当との損益通算を行う必要性
クロス取引で得た配当金と、それに対して支払った配当調整金は、税制上異なる扱いになります。配当金は配当所得として課税対象になりますが、配当調整金は信用取引上の費用のため、損益通算できないケースがほとんどです。
したがって、還付を受けるには、配当所得を総合課税や申告分離課税で申告し、必要に応じて外国税額控除や配当控除などの制度を活用する必要があります。
自動で税金は還付されるのか?実例をもとに解説
たとえば、Aさんが3月に100万円相当の株式をクロス取引し、配当金として1万円を受け取ったとします。このとき信用売り側で支払う配当調整金も約1万円となり、実質相殺されますが、税務上は配当金に約2,000円の源泉徴収が行われます。
この場合、税金は取られるが、配当調整金による支出は損益計算に含まれないため、損をしていることになります。これを取り戻すには、自ら確定申告して調整を図るしかありません。
SBI証券や楽天証券の注意点
証券会社によっては、年間取引報告書に配当調整金の記載がない場合もあるため、自身で取引履歴を確認し、適切に記録を残しておくことが重要です。
また、証券会社のWebサイトやサポート窓口で、「特定口座内で損益通算されるかどうか」や「配当調整金の扱い」についてあらかじめ確認しておくと安心です。
まとめ:クロス取引の税務処理には注意が必要
クロス取引において、特定口座(源泉徴収あり)であっても、配当調整金による損失は自動的に税金から還付されることは基本的にありません。
税金の還付を受けたい場合には、配当所得の扱いや損益通算の可否を理解した上で、国税庁の確定申告ページ[参照]などを参考にしながら、自ら確定申告を行うことが重要です。

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