高齢の親にNISAでファング株を勧められたら?適切な投資判断と代替案を解説

資産運用、投資信託、NISA

70歳を超える高齢者でも、資産運用を通じて将来への安心を築くことは可能です。しかし、NISA口座で何に投資すべきかという判断は慎重に行う必要があります。特にファング株(FANG=Facebook・Amazon・Netflix・Googleなど)への投資は、ハイリスク・ハイリターンの性質を持つため、万人向けとは言えません。本記事では、ファング株とオルカン(全世界株式インデックス)を比較しながら、家族の資産を守るために必要な視点をわかりやすく解説します。

ファング株とは?その特徴とリスク

ファング(FANG)とは、米国のテクノロジー企業であるFacebook(現Meta)、Amazon、Netflix、Google(現Alphabet)などの略称です。近年はAppleやMicrosoftなども含めてFAANGやGAFAMとも呼ばれます。

これらの企業は過去10年にわたり著しい成長を遂げてきた一方、株価の変動が激しく、景気後退や金利上昇の影響を大きく受ける点がデメリットです。高齢者にとっては、長期保有が難しい局面で価格変動リスクを背負うことになります。

NISAでの積立投資における高齢者の注意点

NISAは非課税枠があるため、資産形成に適した制度ですが、そのメリットは「長期投資」によって最大化されます。70代での投資は、運用期間が限定されるため、無理のない設計が求められます。

短期間で資産価値が半減するような銘柄は、年齢的にも精神的にも負担が大きいため、分散投資や安定運用が望ましいといえます。

オルカン(全世界株式インデックス)との比較

オルカンとは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動する全世界株式インデックスファンドの略称です。1本のファンドで米国・欧州・日本・新興国など広範な地域に分散投資でき、長期的に安定した成長が期待される低リスク商品として人気です。

手数料も安く、何よりも一企業のパフォーマンスに左右されにくいため、投資経験が少ない高齢者にも適しています

証券会社の勧誘を受けたときの対応方法

証券会社がファング株を推奨する理由として「過去の好成績」を挙げることが多いですが、それは未来のリターンを保証するものではありません。営業担当者が「良い」と言っているからではなく、自分のライフプランや資産状況に合っているかを基準に判断することが大切です。

家族でよく話し合い、必要であればファイナンシャルプランナーなどの第三者に相談するのも一つの方法です。

高齢者向けNISA運用のベストプラクティス

  • 投資額は生活資金に支障がない「余剰資金」に限定する
  • 価格変動の少ないインデックスファンドを中心に検討
  • こまめに運用状況を確認し、本人が理解・納得できる形で進める
  • 定期的に資産のリバランス(見直し)を行う

特に「老後の資金が別にある」という点は大きな安心材料ですが、その余裕資金をいかに減らさず運用するかがポイントになります。

まとめ:ファング株かオルカンか、それとも他か

ファング株は過去のパフォーマンスは素晴らしいものの、高齢者にとってはボラティリティ(価格変動)の大きさがデメリットになり得ます。一方でオルカンなどの低コストで分散された投資信託は、長期的な資産形成において安定感があり、特に初心者や高齢の方に適しています。

「今、流行っているから」という理由だけで投資先を選ぶのではなく、家族や自身のライフステージに合った設計を第一に考えることが、失敗しない資産運用の鍵となるでしょう。

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