マクロ経済学のモデルで、完全雇用国民所得(200)と実際の均衡所得を比較してインフレ・ギャップや財政収支を求める問題は、多くの学生が迷うポイントです。具体的な式の代入と計算手順を踏むことで、正解への道が見えてきます。本記事ではステップごとにわかりやすく解説します。
モデルの前提と式の確認
国民所得Yの成り立ちは次のとおりです。
- Y=C+I+G+X−M
- C=0.6(Y−T)+40
- I=10、G=20、T=0.1Y
- X=30、M=0.04Y+20
まずはC・M・TをYで表すことが重要です。
均衡所得の計算(Y*)
消費C=0.54Y+40、輸入M=0.04Y+20となり、
AE=0.5Y+80
均衡条件Y=AEより、Y*=160が得られます。これが経済活動の実際の国民所得です。
インフレ・ギャップとデフレ・ギャップの計算
完全雇用所得200に対して均衡所得160であるため、
デフレ・ギャップ=200−160=40となります。
財政収支の状況(黒字or赤字)
税収T=0.1×160=16、政府支出G=20ですので、
財政収支=税収16−支出20=−4(赤字)となります。
なぜ「20」とならなかったのか—誤りの原因
質問者の元回答「赤字20」となった理由は、完全雇用所得を元にTを計算した点にあります。しかし財政収支は均衡所得Y*で計算するのが正しいため、役職が赤字4となります。
このように、ギャップ計算と収支計算はモデル中の均衡所得で行う点を押さえるのがポイントです。
具体例まとめ表
完全雇用所得 | 均衡所得(Y*) | デフレ・ギャップ | 財政収支 |
---|---|---|---|
200 | 160 | 40 | 赤字4 |
まとめ:正しい答えとポイント
正解はデフレ・ギャップ40、財政収支は赤字4です。完全雇用所得と均衡所得の差をギャップとして扱い、財政収支は均衡所得での税収と支出差を用いるという基本を抑えれば、正答にたどり着けます。

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