FXのスリッページによる損失を防ぐ方法|逆指値注文の落とし穴と対策を解説

外国為替、FX

FXトレードにおいて「逆指値注文を入れていたのに指定価格より不利な価格で約定してしまった」という経験をしたことのある方は多いでしょう。これは一般的に「スリッページ」と呼ばれ、特に相場が急変したタイミングで発生しやすい現象です。本記事ではスリッページの原因と、そのリスクを軽減するための実践的な対策を詳しく解説します。

スリッページとは何か?仕組みと発生の原因

スリッページとは、注文時に指定した価格と実際の約定価格に差が生じる現象です。FX市場は常に変動しており、特に重要な経済指標発表時や市場のオープン直後などに価格が急変すると、サーバーが処理を終えるまでに価格が移動し、意図しない価格で注文が成立してしまうことがあります。

たとえば「ユーロ円 売りポジションで逆指値172円」を設定していた場合、本来であればその価格で損切りが発動するはずですが、相場が一気に滑った場合、171.996円やそれ以下で約定することがあります。これがスリッページです。

なぜ逆指値は指定通りに機能しないのか?

逆指値注文はあくまで「成行注文へのトリガー」です。つまり、価格が指定の逆指値に到達した時点で「成行注文」として市場に送られます。そのため、急激に価格が変動している局面では、すでにその価格では買い手(売り手)がいないため、次に見つかった価格で約定されます。

これは証券会社のシステム上の問題ではなく、市場の流動性や注文処理の構造によるものです。

スリッページの主な発生タイミングとリスク

  • 重要経済指標(雇用統計など)の発表直後
  • 週明け(月曜早朝)の窓開けタイミング
  • ロンドンやニューヨーク市場のオープン時

これらのタイミングでは売買注文が急増し、価格が飛びやすくなります。逆指値注文の通りに約定する可能性は大きく低下します。

スリッページを防ぐ・最小限に抑えるための対策

完全にスリッページを防ぐことは困難ですが、以下のような工夫で損失の拡大を防ぐことができます。

  • スリッページ許容幅を設定する:一部のFX業者では、スリッページ幅を設定する機能があります。たとえば「1pips以内なら許容」など。
  • IFD-OCO注文を活用:利確・損切りを事前に設定できるため、想定外の動きに備えやすくなります。
  • 指標発表時はポジションを取らない:短期トレーダーでない限り、極端なボラティリティが予想される時間帯は避ける方が賢明です。
  • 板の薄い時間帯を避ける:深夜帯などは流動性が低く、スリッページが起こりやすい傾向があります。

注文方式の違いを理解することが重要

多くのトレーダーが混同しがちですが、「逆指値」はあくまで“成行の発動条件”であるため、リミット注文(指値)とは性質が異なります。

「価格が到達したら成行注文を出す」という理解がスリッページを受け入れる第一歩です。

まとめ:スリッページは仕組みの理解と準備でコントロール可能

FXにおけるスリッページは避けられないリスクの一つですが、その仕組みを理解し、発生しやすい時間帯や条件を避けることで被害を最小限に抑えることが可能です。

損失を完全にゼロにすることは難しいとしても、「避けられる損失を避ける」ための知識と準備こそが、長期的なトレード成功の鍵となるでしょう。

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