近年の金利環境や為替の影響を背景に、日本国債からアメリカ国債(米国債)への投資乗り換えを検討する個人投資家が増えています。とくにNISAなどの非課税枠を使って運用している場合、その判断は慎重に行いたいものです。この記事では、米国債への移行が注目される理由、日本国債との違い、タイミングの判断軸を解説し、実際の資産運用にどう活かせるかを考察します。
なぜ米国債が注目されているのか?
まず、2022年以降の米国の利上げによって、米国債の利回りが上昇し、3年物や5年物で4~5%の利回りが得られる環境が続いています。これは、0%台~1%未満が一般的な日本国債とは大きな差です。
また、ドル建ての資産を保有することで、将来的な為替メリット(円安時の評価益)も得られる可能性があります。このように、利回りと通貨分散の両面で、米国債は魅力的な選択肢になっています。
日本国債と米国債の違いを整理する
以下は主な違いの比較表です。
項目 | 日本国債 | 米国債 |
---|---|---|
通貨 | 円建て | 米ドル建て |
利回り | 0.2~0.5%程度 | 4.0~5.0%前後(期間により異なる) |
為替リスク | なし | あり(円高に注意) |
流動性 | 高い | 中程度(証券会社経由) |
このように、日本国債はリスクを抑えた安定資産ですが、リターンは非常に低く設定されています。一方で米国債は高利回りを狙えますが、為替リスクという大きな注意点もあります。
1年間解約できない場合の注意点
日本国債の中には「変動10年」や「個人向け固定3年/5年」など、最低1年間の保有期間が定められている商品があります。これを途中で売却できないとなると、米国債への切り替えをすぐに実行することはできません。
したがって、今すぐ動けない場合は、満期時点に米国債への切り替えを検討するというのが現実的です。それまでの間に為替相場や米国の金利政策の動向を見極め、冷静に判断しましょう。
為替の影響をどう考えるか
たとえば、1ドル=140円で米国債を購入し、満期時に1ドル=120円になっていた場合、利回りで得た利益以上に為替差損を被ることもあります。
逆に、ドル高(円安)が進行すれば、為替差益が出て元本以上の利益になる可能性もあります。こうした為替リスクを緩和する方法として「為替ヘッジ付き米国債」や「債券ETF」の活用もあります。
実際の資産配分をどう考えるか
今のポートフォリオの中で、安全資産として日本国債を維持しつつ、一部を米国債にシフトして利回りを取りに行くというバランス戦略も有効です。全額を乗り換えるのではなく、段階的に移行することも検討に値します。
また、つみたてNISAや新NISAの成長投資枠を活用して、為替の影響をある程度抑えた米国債関連のETFに分散投資するのも初心者に適した方法です。
まとめ:日本国債→米国債への乗り換えは「目的とタイミング」で判断を
米国債は高利回りで魅力的な投資先ですが、為替リスクや価格変動リスクも伴います。現在保有中の日本国債が満期を迎えるタイミングで、金利環境・為替・目的に応じて冷静に判断することが大切です。
「資産を守りたいのか」「増やしたいのか」という軸を明確にしたうえで、適切な選択を行いましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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