楽天証券で1655(S&P500 ETF)を売ったのに損した?売却後のマイナス表示や課税の仕組みを解説

資産運用、投資信託、NISA

初めて国内ETFを売買したとき、「売ったときはプラスだったのに、あとで見たらマイナス表示になっていた」と戸惑う方は少なくありません。この記事では、楽天証券でのETF売却に関するよくある疑問を、S&P500連動型ETF(1655)を例に取りながらわかりやすく解説します。

売却後に「損していた」ように見える理由

「プラスで売ったはずなのに、数日後に口座を見たらマイナスになっていた」——このようなケースでは、以下のような原因が考えられます。

  • 特定口座(源泉徴収あり)による自動課税
  • 約定価格と表示タイミングのズレ
  • 為替や指数変動による見かけ上の損益

特に、売却後に利益が確定すると、約20.315%の税金が自動で引かれ、口座内で“減った”ように見えるのが一般的です。

売り方による影響:成行?指値?一括?分割?

「10株ずつ売った方がいいのか?」「一気に売ったから損したのか?」という疑問については、注文方法が大きく影響します。

  • 成行注文:市場価格で即売却されますが、タイミングによって不利な価格で売れてしまう可能性があります。
  • 指値注文:希望価格で売却できますが、相場が動けば約定しないこともあります。
  • 一括売却:大量注文は市場に影響を与える場合も。特に板の薄いETFでは注意が必要です。

一度に10万円分を成行で売った場合、想定以上に安い価格で約定した可能性があります。

プラス1%で即売却の落とし穴

例えば、1%の利益が出た時点で即売却したとしても、そこから税引き後の実質利益は約0.8%程度になります。さらに、スプレッドや手数料(ETFの場合は取引手数料無料でも、信託報酬が影響)を考慮すると、実質マイナスになることもあります。

特に、値動きが小さいETFでは、税引き後に損失に転じるリスクもある点に注意が必要です。

ファングプラスでは利益が出た理由

一方、同じ楽天証券でFANG+(ファングプラス)などを売却してプラスになったケースでは、以下のような理由が考えられます。

  • ファング系はボラティリティ(値動き)が大きく、利益幅が広かった
  • 約定タイミングが良く、成行でも好価格で成立した
  • 売却益が税引き後でも十分に残る水準だった

つまり、利益率の差や銘柄特性によって、同じ売却行動でも結果が異なるのです。

特定口座の仕組み:課税と損益計算

楽天証券の特定口座(源泉徴収あり)では、売却時に自動的に税金が差し引かれます。例えば、1万円の利益が出た場合は、約2,031円が即時に引かれ、残り7,969円が受取額として反映されます。

この「引かれた後」の金額だけを見てしまうと、「利益が減ってる!?」と錯覚しやすいのです。

まとめ:注文方法と税引き後の視点を持とう

ETF売却で「損したように見える」原因は、注文方法・税制・表示タイミングなど複数の要因が絡んでいます。今後は次の点を意識しましょう。

  • 成行注文よりも指値でコントロール
  • 税引き後利益を想定した売却タイミング
  • 一度に大きく売る際は市場板の厚さを確認

売買の経験を積みながら、「利益確定後にどうなるか」を理解することで、納得のいく取引ができるようになります。

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