「株の譲渡」とは?売却との違いや使い分けをわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資に関する用語の中には、日常的な言葉遣いと法律や税制での使われ方が異なるものが多くあります。その一例が「譲渡」という言葉。個人が株や投資信託を売却する際に、「譲渡」という表現が正しいのか疑問に感じる方も多いでしょう。本記事では、「譲渡」と「売却」の違い、税制上の意味、実務上の使われ方について具体的に解説します。

「譲渡」は法的・税務上の広い概念

まず、「譲渡」という言葉は法律や税務の世界では、有償・無償を問わず、資産を他人に渡す行為全般を指します。つまり、株式を売却するだけでなく、贈与や相続で他人に移転することも「譲渡」に含まれます。

税務用語としての「譲渡所得」は、株式や不動産を売って得られる利益などに対して課税されるため、税務申告上では「譲渡」という表現が一般的に使われます。

売却は「譲渡」の中の一つの形態

一方、日常的に使われる「売却」とは、資産をお金と引き換えに売る行為を指します。つまり、「売却」は「譲渡」の一部であり、「有償譲渡」と言い換えることができます

たとえば、「株を売却して利益が出た」=「株を譲渡して譲渡益が出た」という言い換えも可能です。証券会社や国税庁の資料では「譲渡損益」「譲渡所得」という言葉が主に使われます。

投資信託にも「譲渡」という言葉は使われる?

投資信託の解約や売却も、税制上は「譲渡」として取り扱われます。具体的には、解約益・売却益に対して「譲渡所得」として課税される仕組みです。

ただし、解約型(単位型や追加型)の投資信託やETFのように「解約」と「売却」の形式が異なる場合でも、税法上では一括して「譲渡」として扱われます。証券会社の年間取引報告書にも「譲渡損益」と記載されるのが一般的です。

実務上の使い分け:どちらを使えばいい?

投資家同士の会話やブログなど日常の文脈では「売却」で問題ありません。「譲渡」はやや形式的な響きがあり、税務申告や法的手続きなどの文脈で使用されることが多い言葉です。

例えば、確定申告書の作成や譲渡損益の計算では「譲渡所得」や「譲渡損」と記載されますが、会話では「株を売った」「ファンドを売却した」という表現で十分通じます。

具体例で理解を深める

例1:「楽天証券で保有していたA社株を売却して+5万円の利益が出た。」→ このケースは売却益=譲渡益であり、税務上は「譲渡所得の申告」が必要です。

例2:「保有するB社株を子供に無償で移した。」→ このケースも「譲渡」ですが、無償のため「贈与」として贈与税の対象になります。

このように、「譲渡」という用語は「売る」「あげる」「渡す」などの行為をすべて包括する言葉です。

まとめ:売却と譲渡は意味の広さが違うだけ

「株の売却=譲渡」と表現することは税務的にも法律的にも正確であり、証券会社の報告書や税務書類でも「譲渡損益」として扱われます。

ただし、日常会話や投資ブログでは「売却」の方が自然です。状況に応じて適切に使い分けることで、正確な理解と伝達が可能になります。

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