利上げ・利下げが為替に与える影響とは?中央銀行の政策と通貨の関係を徹底解説

外国為替、FX

為替相場に関心のある投資家にとって、中央銀行の政策金利の変更は非常に重要なイベントです。特に利上げや利下げがどのように通貨に影響を与えるのかは、短期的な為替変動を読む上で欠かせない知識です。この記事では、中央銀行の金融政策とその国の通貨がどのように連動するのかを、具体例とともに解説します。

中央銀行が利上げをすると通貨は上がる?

一般的に中央銀行が利上げを行うと、その国の通貨は上昇しやすくなります。理由は主に以下の2点です。

  • 高金利通貨への資金移動:利上げによって金利が高くなると、投資家はその通貨を保有することでより高い利息(スワップポイント)を得られるため、買いが集中します。
  • 景気に対する信頼の強化:利上げは景気が過熱している、または堅調であるというメッセージにもなり、通貨が買われる要因となります。

例えば2022年から2023年にかけての米FRBの利上げ局面では、米ドルが急騰しました。ドル円は一時150円を超え、キャリートレードも活発になりました。

利下げが通貨に与える影響

一方、中央銀行が利下げを行うと、その国の通貨は下落する傾向があります。

  • 低金利通貨への魅力減退:利息収入が減ることで、その通貨を保有するインセンティブが薄れ、売られやすくなります。
  • 景気後退や不透明感の示唆:利下げは経済の減速やリスク回避的な状況で行われることが多く、投資家心理も弱気になります。

例えば2020年のコロナショックでは、世界中の中央銀行が緊急利下げを実施し、日本円やスイスフランなどの安全通貨が買われ、その他の通貨は軟調に推移しました。

利上げでも通貨が下がるケースとは?

ただし、市場は常に「織り込み」で動くため、利上げ=通貨高とは限らない場面もあります。

例えば「すでに市場が利上げを織り込んでいた場合」や、「利上げが最後になる可能性が示唆された場合」などは、発表直後に材料出尽くしで通貨が売られることもあります。

2023年7月の米FOMCでは0.25%の利上げが行われたものの、パウエル議長が「今後の利上げはデータ次第」と発言したことで、ドルは発表直後に下落しました。

為替市場は期待と現実のズレで動く

為替市場では「事前の予想」と「実際の発表内容」とのズレが最も大きな影響を与えます。つまり、利上げの有無だけでなく、そのトーンや今後の見通しが重要です。

また、同日に複数の中央銀行が発表を行った場合は、相対的な金利差が注目されるため、「どの国の金利が相対的に高いか」が通貨の強弱を分けます。

まとめ:金利と通貨の関係を知れば為替が読める

利上げは通貨高、利下げは通貨安というのが基本的な市場の反応です。しかし、実際の値動きには市場の織り込み状況、発言のトーン、将来の政策予想なども関係してきます。

金利動向に注目することで、為替相場の先読みが格段にしやすくなります。特にFOMCやECB、日銀の政策発表は為替に大きく影響するため、定期的にチェックしておくことをおすすめします。

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