超富裕層はなぜ株を売らずに贅沢な生活ができるのか?資産形成と資金調達の仕組みを解説

株式

企業の創業者や上場企業の大株主が、持ち株の評価額により億単位、時には兆単位の資産を保有する“超富裕層”と呼ばれる存在になることがあります。彼らは一見すると巨額の資産家ですが、保有しているのは「株式」という流動性の低い資産であることがほとんどです。それにもかかわらず、高級車を乗り回したり、大型プロジェクトを次々に立ち上げたりと、実生活でも裕福な暮らしをしているように見えます。なぜ彼らは株を売却せずにそんなことが可能なのでしょうか?この記事ではその裏側を解説します。

株式を売却しない理由とは?

大株主や創業者が株式を売却しない主な理由は、企業の支配権維持と課税リスクの回避にあります。株式を売ればキャッシュを得られますが、その瞬間に譲渡益課税(日本では最大約20%)が発生します。また、自分の保有比率が減ることで経営への影響力が低下し、経営権を失うリスクもあるのです。

たとえば、創業者が会社の株式の60%を保有していた場合、そのうち10%でも売却すれば会社への影響力が低下する可能性があり、これは事業戦略やM&A交渉において大きなマイナスとなるため避けられるのが一般的です。

超富裕層が使う「資産担保型ローン」

彼らが現金を得る代表的な手段が、「資産担保ローン(Asset-Backed Loan)」です。これは保有している株式を担保に金融機関から融資を受ける方法で、株を売却せずに資金調達できるのが最大の特徴です。利息のみの支払いに抑えられるケースも多く、税務上も利益確定扱いにならないため、節税メリットがあります。

アメリカでは「Securities-Based Lending」と呼ばれ、イーロン・マスク氏やジェフ・ベゾス氏などもこの手法で資金を得ていたと報じられています。

配当金や報酬収入も侮れない

株式を保有することで得られる「配当金」も彼らの収入源です。たとえば保有株式の配当利回りが年2%であっても、100億円相当の株を保有していれば年間2億円の配当収入となります。加えて、創業者が経営に関与していれば、役員報酬として数千万円〜数億円の給与を得ているケースも多くあります。

配当収入と役員報酬だけでも、一般的な富裕層をはるかに上回る生活ができるだけのキャッシュフローが確保されているのです。

法人を活用した資産運用と節税スキーム

超富裕層は、株式の一部を自ら設立した資産管理会社に移し、法人名義での運用を行うこともあります。法人を通じた取引は、経費計上が可能なほか、相続税や贈与税の対策としても有効です。さらには、法人を使って不動産や事業投資に広げることで、収益源の多角化を図ることができます。

このような仕組みにより、彼らは資産を維持しつつ、柔軟に資金を動かすことができるのです。

実際の事例:イーロン・マスク氏の資金調達

2022年、イーロン・マスク氏はTwitter(現X)の買収にあたり、テスラ株の一部を売却したことが話題になりましたが、それ以前の買収交渉段階では、テスラ株を担保にしたローンで資金を調達していたとされています。

このように、世界の超富裕層は「株を売らずにお金を手に入れる」スキームを巧みに活用し、ビジネスの拡大やライフスタイルの充実に役立てているのです。

まとめ:見た目は株式保有、実態は柔軟な資金運用

超富裕層が株を売らずに贅沢な暮らしや事業活動を展開できるのは、資産を担保にしたローンや、配当・報酬などの安定収入、法人活用による柔軟な資金管理など、複数のスキームを組み合わせているからです。表面的な「資産額」だけでなく、その裏にある金融リテラシーと仕組みを知ることで、超富裕層の世界がより理解しやすくなるでしょう。

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