株式投資を始めると、出来高が少ない、あるいは一日中売買が行われない「出来高ゼロ」の銘柄を見かけることがあります。こうした株は値動きが激しい場合もあり、一見するとチャンスに見えることも。しかし、実際には投資リスクが非常に高く、特に初心者や長期投資目的の方は注意が必要です。
出来高ゼロの株とは?
出来高とは、ある一定期間に取引された株の数量を表す指標です。出来高がゼロということは、売買が1日を通して1件も成立していないという意味になります。つまり、その銘柄を買いたい人・売りたい人が極端に少ないということです。
こうした銘柄は「流動性が低い」と呼ばれ、株を買いたくても売ってくれる人がいない、または売りたいときに買ってくれる人がいないという問題が発生します。
スプレッドが広い株の危険性
出来高が少ない株では、買値(ビッド)と売値(アスク)の差である「スプレッド」が大きくなりがちです。たとえば、買値が500円で売値が600円の場合、その差額100円が実質的な取引コストになります。スプレッドが広い銘柄は、取引を成立させた瞬間に損失を抱えるリスクが高まります。
特に短期売買では、スプレッドの広さだけで利益を相殺してしまうケースもあるため、注意が必要です。
長期保有に向かない理由
長期保有の観点から見ても、出来高が少ない株はリスクが高いです。理由は主に以下の3つです。
- 売りたいときに売れない(流動性リスク)
- 企業の情報開示が少なく、値動きが読みにくい
- 株価が急騰・急落しやすく、ボラティリティが高い
また、こうした銘柄は個人投資家の売買が中心で、機関投資家の参加が少ないため、株価が一方向に動きやすい傾向があります。
出来高の少ない株でも買う価値があるケース
すべての低出来高株が危険というわけではありません。たとえば、地方企業の成長株や上場したばかりの銘柄など、一時的に注目されていないだけで将来的に出来高が増える可能性のある株もあります。
こうした銘柄に投資する場合は、企業の業績、ビジネスモデル、財務内容をしっかり分析した上で中長期目線で保有する戦略が有効です。
初心者が取るべき投資スタンス
初心者やデイトレード目的の投資家は、まずは出来高が多く、スプレッドが狭い銘柄を選ぶのが基本です。流動性の高い銘柄であれば、取引コストを抑えながら売買の感覚をつかむことができます。
また、長期投資であっても「売りたいときに売れる銘柄を持つ」ことが重要です。特に市場全体が下落しているときに出来高の少ない株を保有していると、売りたくても買い手がいない状況に陥るリスクがあります。
まとめ:出来高ゼロ株は慎重に扱うべき
出来高がゼロの株は、基本的に投資リスクが高い銘柄です。短期でも長期でも、まずは流動性のある株を選び、安定した取引環境を優先しましょう。もし低出来高銘柄に投資する場合は、しっかりと企業分析を行い、長期的な成長性を見極めることが大切です。
投資の基本は「売りたいときに売れる銘柄を選ぶこと」。初心者こそ、まずは出来高を確認してから投資判断を行いましょう。

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