企業型DCから iDeCo(個人型確定拠出年金)への移管手続きと「記録関連機関」確認のポイント

資産運用、投資信託、NISA

転職などで勤務先の企業型確定拠出年金(DC)からiDeCoに資産を移管しようとすると、「記録関連機関(レコードキーパー)である 日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(JIS&T)などのWEBサイトからアカウント情報を登録してください」という案内が出ることがあります。本記事では、移管の全体的な流れとともに、記録関連機関の違いやログインできないときの対処法を整理しています。

移管を始める前に知っておきたい制度の仕組み

企業型DCからiDeCoへ移管する場合、まず「企業型DCの加入者資格喪失日」以降、6か月以内に手続きを始めないと、自動移換扱いとなるリスクがあります。([参照]JIS&T:企業型→個人型 移換手続きの方法)

また、移管手続きには「移換先の運営管理機関(例:証券会社)でのiDeCo口座開設」「移換申込書類の提出」などが必要で、審査や書類不備により
手続き終了まで「1〜2か月程度」かかるケースもあります。([参照]楽天証券:企業型からの移換申込方法)

記録関連機関(レコードキーパー)とは何か?なぜJIS&Tの登録画面が出るのか

確定拠出年金制度では、運営管理機関(金融機関)とは別に、加入者の資産状況・記録を管理する「記録関連機関(レコードキーパー)」という存在があります。JIS&Tはその代表例です。([参照]JIS&T:給付金等のご案内)

例えば、企業型DCを導入していた会社がJIS&Tを記録関連機関として採用していた場合、移管先のiDeCo口座でもJIS&Tのシステム上で手続きを行うことがあり、「JIS&TのWEBサイトからアカウント情報を登録してください」といった案内が出るわけです。

ログインできないときの主な原因と対処方法

「会社で確定拠出年金を行っていたのは 日本レコードキーピングネットワーク株式会社(NRK)だったのに、JIS&Tのログイン画面が出ている」というような状況では、次のような原因が考えられます。

  • 旧企業型DCの記録関連機関がNRKであった可能性
  • 移管先の運営管理機関(例:証券会社)がJIS&Tを通じて手続きを受付している可能性
  • 「加入者番号・基礎年金番号・氏名・生年月日」の情報が、旧制度と一致していないためログインできない

対処としては、以下の手順をおすすめします。

  1. 旧勤務先の「加入者資格喪失通知」や規約を確認して、記録関連機関がJIS&TかNRKかを確かめる。
  2. 移管申込先(例:楽天証券)に「貴社加入分(企業型DC)の記録関連機関はどこか」「現在の申込状況はどうなっているか」を問い合わせる。([参照]楽天証券:移管申込方法)
  3. 記録関連機関が合っている場合、JIS&T/NRKどちらでもログイン不可のときは「加入者番号の誤り」「生年月日の誤入力」「本人確認書類の不一致」等を確認・修正依頼する。

移管手続きをスムーズに進めるためのチェックリスト

移管中に手続きを遅らせないためのチェックポイントを整理しました。

  • 基礎年金番号・氏名・生年月日が申込書類と一致しているか
  • 旧勤務先で企業型DCの加入者資格を喪失してから6か月以内に申請しているか
  • 移管申込書類に記入漏れ・添付書類の不備がないか確認
  • 移管先金融機関でのiDeCo口座開設が完了しているか

このように準備しておくことで、手続き期間の延長・自動移換による追加手数料発生といったリスクを軽減できます。

まとめ

企業型確定拠出年金からiDeCoへ移管する際、「記録関連機関(JIS&T/NRK等)」の違いやログインに関する混乱が起こりやすいポイントです。まずは旧制度の記録関連機関を把握し、移管先の金融機関との連絡を密にして、加入者番号・基礎年金番号・氏名・生年月日の一致を確認しましょう。手続きがスムーズに進めば、安心してiDeCo移管後の運用に移行できます。

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