日本の「個人金融資産・企業内部留保」の規模と世界ランキング―“国の純資産”とは何か解説

経済、景気

「日本全体の資産はどれくらいあるのか」「これを“国の純資産”と言っていいのか」「世界の他の国と比べるとどうか」といった疑問を持つ方が増えています。この記事では、まず日本の個人金融資産や企業の内部留保の水準を確認し、「国の純資産」という概念を整理したうえで、世界のトップ国の資産規模も紹介します。

日本の個人金融資産・企業内部留保の現状

まず、日本銀行による「家計の金融資産」の統計では、2025年6月末時点で家計の金融資産が約2 239兆円に達しています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

また、新聞報道では「家計の金融資産は2 180兆円台となっている」とも報じられています。:contentReference[oaicite:2]{index=2} ただしこの数字は“家計の金融資産”であり、企業の内部留保(企業が自社に蓄えた利益等)を含むと、資産の総額はさらに大きくなると考えられます。

「国の純資産」とは何か?どこまで含めるべきか

「国の純資産」という言葉は一般には、政府が保有する資産から負債を差し引いた純額を指します。しかし、個人金融資産や企業の蓄えを含めて「国全体の資産」という視点で使われることもあります。

例えば、家計・企業・政府の資産を合算して「その国の総資産」と捉える場合もあり、これを便宜的に“国の純資産”と呼ぶことは可能ですが、学術的には明確な定義が国際的に統一されているわけではありません。

世界の国別「総資産/純資産」ランキングのトップ10

世界の家計・個人資産の調査データでは、UBS や Credit Suisse が発表した「国別総私的資産(private wealth)」ランキングが参考になります。たとえば、「List of countries by total private wealth」には、各国の私的(個人・家計)資産が掲載されています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

順位 国・地域 私的資産規模(概算)
1 アメリカ合衆国 約465 兆USD(ピーク時)
2 中国(本土) 約146 兆USD(2021年)
3 日本 約86 兆USD(2020年時点)
4 ドイツ
5 英国
6 フランス
7 イタリア
8 オーストラリア
9 スイス
10 カナダ

※「-」は該当データを直接提示できなかった国です。上位3カ国として米中日が大きな規模を握っています。

データ利用上の注意点と解釈のポイント

こうした「総資産」や「純資産」の数字を比較する際には、次の点に注意が必要です。

  • 為替レート:資産をUSDベースで比較する際、為替の変動が結果に大きく影響します。
  • 資産の範囲:家計、企業、政府など含まれる範囲が国や調査によって異なります。
  • 時点・統計方法:定義・集計時期・調査方法によって大きく数値が変わるため、最新かつ信頼できる統計を参照することが重要です。

まとめ:資産規模と見方を整理して理解を深める

日本では家計の金融資産が約2 200兆円規模に達しており、個人・企業・政府を含む国全体の資産を“国の純資産”と呼ぶことも考えられますが、用語としては注意が必要です。

世界ランキングでは、アメリカ・中国・日本が上位に位置しており、資産規模の比較には為替や範囲の違いなど多くの注意点があります。数字だけでなく、“何を含めているか”“どの時点か”を押さえて理解することで、より質の高い議論が可能になります。

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