39歳から新NISAでオルカン(全世界株式インデックスファンド)を積立し、50歳までに1,800万円の非課税投資枠を埋めた後、現金比率を高めていく――この戦略は一見堅実に見えます。しかし、資産形成においては”年齢”だけでなく”目的”や”取り崩し時期””リスク許容度”など多角的な視点が欠かせません。本記事では、制度の仕組みを踏まえながら、50歳以降の資産配分の考え方を具体例とともに解説します。
新NISAの1,800万円枠をどう捉えるべきか
2024年から始まった新NISAでは、生涯投資枠1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)が非課税で運用できます。制度の詳細は金融庁の公式資料が参考になります。[参照]
重要なのは、この1,800万円は”投資上限”であって”ゴール”ではないという点です。例えば39歳から年間180万円投資すれば約10年で満額に到達しますが、その後も資産は運用によって増減します。枠を埋めること自体よりも、老後までの資産全体の成長率とリスク管理のバランスが本質的なテーマです。
オルカンのような全世界株式は長期的な成長を期待できる一方、短期的な価格変動は大きい商品です。よって、満額到達=リスク終了ではありません。
50歳から現金比率を高める考え方のメリットと注意点
50歳から現金比率を高めるという発想は、”価格変動リスクを抑えたい”という心理から来るものです。特に老後が近づくにつれ、暴落による資産減少を避けたいと感じるのは自然なことです。
例えば、2,000万円を全額株式で保有している状態で30%の下落が起きると、600万円の含み損になります。一方、株式70%・現金30%なら下落幅は420万円に抑えられます。この差は精神的な安定に大きく影響します。
ただし、現金比率を高めすぎるとインフレに弱くなります。日本でも物価上昇が続く中、預金のみでは実質的な購買力が目減りする可能性があります。安全性と成長性のバランスが重要です。
本当に見るべきは”年齢”より”取り崩し開始時期”
資産配分を変えるタイミングは、単純に50歳という年齢で区切るよりも、”いつから取り崩すか”で考える方が合理的です。
仮に65歳から取り崩す予定であれば、50歳時点ではまだ15年の運用期間があります。15年あれば株式市場は複数回の景気循環を経験する可能性が高く、一定のリスクを取る余地があります。
一方、55歳で早期リタイアを目指す場合は話が変わります。取り崩し直前の暴落リスク(シーケンスリスク)を避けるため、徐々に債券や現金へ移行する戦略が有効です。
具体例:段階的にリスクを下げる”グライドパス戦略”
一括で現金比率を高めるのではなく、年齢や残り運用年数に応じて徐々にリスク資産を減らす方法をグライドパス戦略と呼びます。
例えば以下のような配分が考えられます。
| 年齢 | 株式 | 債券・現金 |
|---|---|---|
| 39歳〜49歳 | 90% | 10% |
| 50歳〜59歳 | 70〜80% | 20〜30% |
| 60歳以降 | 50〜60% | 40〜50% |
このように段階的に調整すれば、成長性を維持しつつ下落耐性も高められます。
実際に、2,000万円を年率4%で15年間運用した場合、約3,600万円になります。一方、全額現金で0.1%なら約2,030万円です。この差は老後資金に大きく影響します。
オルカン一本で続ける場合の現実的な選択肢
オルカンをコア資産として続ける場合でも、現金クッションを別口座で確保する方法があります。例えば生活費2〜3年分を預金で確保し、残りを株式で運用する形です。
これにより、暴落時でも慌てて売却せずに済みます。心理的安定は長期投資の成功確率を高めます。
また、iDeCoや課税口座を含めた”総資産ベース”で配分を考えることも重要です。NISA口座内だけで完結して考えると、最適配分を見誤る可能性があります。
まとめ:50歳での現金シフトは”目的次第”で決まる
50歳で1,800万円を満額投資した後に現金比率を高める戦略は、一概に良い・悪いとは言えません。重要なのは、取り崩し時期・生活費・リスク許容度・他の資産状況を踏まえた総合判断です。
年齢だけで資産配分を決めるのではなく、ゴールから逆算して段階的に調整することが、長期的な安定と成長の両立につながります。新NISAは強力な制度ですが、使い方次第で結果は大きく変わります。戦略的に設計し、定期的に見直すことが、将来の安心につながるでしょう。
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