ニュースや金融機関の調査で「30代の平均貯蓄額は○○万円」「50代の平均金融資産保有額は○○万円」といった数字を見かけることがあります。しかし、その金額に株式や投資信託、NISA口座の資産まで含まれているのか疑問に思う人も少なくありません。実は、調査によって集計対象が異なるため、数字を正しく理解することが重要です。
「貯蓄額」と「金融資産保有額」は意味が異なる
一般的に公表される統計では、「貯蓄額」と「金融資産保有額」が混同されることがあります。
特に家計調査や金融広報関連の調査では、現金や預貯金だけでなく、株式や投資信託なども含めて集計されるケースが多く見られます。
そのため、記事やニュースを見る際は、どの調査の数字なのか確認することが大切です。
統計で含まれることが多い金融資産の種類
多くの金融資産調査では、次のような資産が対象となっています。
| 資産の種類 | 集計対象になることが多いか |
|---|---|
| 普通預金・定期預金 | 〇 |
| 株式 | 〇 |
| 投資信託 | 〇 |
| 債券 | 〇 |
| NISA口座の資産 | 〇 |
| iDeCo | 調査による |
| 自宅不動産 | ×の場合が多い |
つまり、「平均貯蓄額が高い」と聞いても、その全てが銀行預金というわけではありません。
なぜ平均貯蓄額が高く見えるのか
平均値は一部の資産家によって大きく引き上げられる特徴があります。
例えば10人のうち9人が100万円を保有し、1人が1億円を保有している場合、平均値は1,090万円になります。
しかし実際には多くの人が100万円程度しか持っていません。このため、金融資産の統計を見る際は平均値だけでなく中央値も確認することが重要です。
投資をしている人は統計上有利になりやすい
近年はNISAや投資信託の普及により、預金以外の資産を保有する人が増えています。
株式市場が上昇している局面では、投資資産を持つ人の金融資産総額も増えるため、平均貯蓄額が押し上げられる傾向があります。
同じ100万円を保有していても、預金だけの人と投資で増えた人では統計上の資産額に差が生じます。
統計を見るときに注意したいポイント
貯蓄に関する数字を見る際は、次の点を確認すると実態を理解しやすくなります。
- 貯蓄額なのか金融資産保有額なのか
- 株式や投資信託が含まれているか
- 平均値か中央値か
- 単身世帯か二人以上世帯か
- 負債が考慮されているか
これらを確認せずに数字だけを見ると、自分との比較で必要以上に不安になってしまうことがあります。
まとめ
世間で公表される平均貯蓄額や金融資産額には、調査によって株式や投資信託などの投資資産が含まれていることが少なくありません。そのため、「平均貯蓄額が思ったより高い」と感じる場合は、預金だけでなく投資資産も含まれている可能性があります。統計を見る際は平均値だけでなく中央値や集計対象の内訳にも注目すると、より実態に近い理解ができるでしょう。
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