投資有価証券を売却するとBPSは上がる?低PBR株の資本効率改善とROEへの影響をわかりやすく解説

株式

低PBR株への投資を考える際、企業が保有する政策保有株式や投資有価証券の扱いは重要なポイントです。近年はアクティビストファンドや大株主から、資本効率改善のために投資有価証券の売却を求める提案も増えています。では、企業が投資有価証券を売却して売却益を計上した場合、BPS(1株当たり純資産)は上昇するのでしょうか。

BPSとは何か

BPS(Book-value Per Share)は、企業の純資産を発行済株式数で割った指標です。

BPSが高いほど、理論上は1株当たりの資産価値が大きいことを意味します。

計算式
BPS=純資産÷発行済株式数

そのため、BPSが上昇するかどうかは純資産が増えるかどうかが重要になります。

投資有価証券を売却しただけではBPSは変わらない

投資有価証券を時価と同額で売却した場合、資産の中身が有価証券から現金に変わるだけです。

総資産も純資産も変化しないため、BPSも基本的には変わりません。

例えば、時価100億円の株式を100億円で売却した場合、投資有価証券100億円が現金100億円になるだけです。

売却益が発生するとBPSは上昇する

一方で、帳簿価額より高い価格で売却した場合は売却益が発生します。

売却益は最終的に利益剰余金として純資産に加算されるため、税金を差し引いた後の利益分だけ純資産が増加します。

項目 金額
帳簿価額 50億円
売却価格 100億円
売却益 50億円

この場合、法人税等を考慮した後の利益が純資産へ積み上がるため、BPSは上昇します。

低PBR企業で売却が注目される理由

低PBR企業には、本業とは関係の薄い政策保有株を大量に持つ企業が少なくありません。

投資家は、それらを売却して資本効率を改善することを期待しています。

単に売却することよりも、売却後に現金をどう活用するかが重要です。

  • 自社株買い
  • 増配
  • 成長投資
  • 借入金返済

こうした施策によってROEやPBRの改善につながるケースがあります。

自社株買いを行うとBPSはさらに上がる場合がある

売却した現金で自社株買いを実施すると、発行済株式数が減少します。

特にPBR1倍未満で自社株買いを行う場合、1株当たり純資産が増加し、BPS上昇効果が期待できます。

そのため、アクティビストが政策保有株の売却と自社株買いをセットで提案することは珍しくありません。

ROEへの影響はどうなるのか

売却益が発生すると当期利益が増えるため、一時的にROEは上昇します。

ただし、これは本業の収益力向上によるものではなく、一過性の利益です。

投資家は売却益そのものよりも、売却後の資本政策や事業戦略を重視する傾向があります。

まとめ

投資有価証券を売却しただけでは、時価と同額であればBPSは基本的に変わりません。しかし、帳簿価額を上回る価格で売却して売却益が発生した場合は、その利益が純資産に加わるためBPSは上昇します。

また、売却後に自社株買いや増配などを実施すれば、さらに資本効率が改善する可能性があります。低PBR株を分析する際は、投資有価証券の含み益だけでなく、売却後の資本政策まで含めて評価することが重要です。

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