ネット証券で保有している株式を相続する際、「いくらの価値として評価されるのか」「売却後の手取り金額が基準なのか」といった疑問を持つケースは少なくありません。本記事では、相続税における株式評価の基本的な考え方と誤解されやすいポイントを整理します。
相続における株式評価は現金化前提ではない
まず重要な点として、相続財産の評価は「売却して実際に手元に残る金額」ではありません。
相続税の評価では、株式は相続開始時点(通常は死亡日の時価)に基づいて評価されます。
例えば、ある銘柄が相続開始日に1株1,000円であれば、その価格を基準に評価され、将来の売却益や損失は考慮されません。
税金20%を差し引くという考え方は誤り
質問にある「売却益に対する約20%の税金を差し引く」という考え方は、相続評価には適用されません。
なぜなら、相続税の評価と、株式売却時の譲渡所得課税は別の制度だからです。
例えば、相続時点では100万円の評価であればそのまま100万円として相続財産に計上され、将来売却時に利益が出た場合のみ約20%前後の税金が発生します。
上場株式の評価方法の基本
ネット証券で保有している上場株式は、一般的に以下のいずれかの価格で評価されます。
①相続開始日の終値、②その月の平均額、③前月の平均額、④前々月の平均額のうち最も低い価格が採用される仕組みです。
例えば、相場が急落している場合でも、直近3か月の平均などが考慮されるため、極端な評価にならないよう調整されています。
相続税評価と売却時の違い
相続税評価は「相続時点の価値」、売却時は「実際の市場価格」であり、目的が異なります。
例えば、相続時に100万円評価の株を、後に120万円で売却した場合、その差額20万円に対して譲渡所得税が課税されます。
このように、評価と課税はそれぞれ独立して考える必要があります。
まとめ
ネット証券の株式の相続評価額は、売却後の手取り金額ではなく、相続開始時点の時価を基準に計算されます。
また、売却時の約20%の税金をあらかじめ差し引く必要はなく、相続税と譲渡所得税は別制度として扱われます。
正確な評価方法を理解しておくことで、相続時の誤解や不要な不安を避けることができます。
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