株式投資では「上がっている株は買い増しし、下がった株は損切りする」という考え方があります。しかし実際の投資現場では、利益が出ている銘柄を早く売却し、含み損になった銘柄をナンピン買いしてしまう人も少なくありません。この記事では、なぜ人は逆の行動を取りやすいのか、そして業績が伸び続ける企業への投資で買い増しを検討する理由や、損切り・ナンピンの使い分けについて解説します。
なぜ投資家は上がる株を早く売り、下がる株を持ち続けるのか
多くの投資家が陥りやすい心理として「利益は早く確定したい、損失は認めたくない」というものがあります。これは人間の心理的な傾向で、含み益を見ると安心して売却したくなり、含み損を見るといつか戻るのではないかと期待してしまいます。
例えば、100万円で購入した株が120万円になった場合、「20万円も利益が出ているから今売れば確実に儲かる」と考えて売却するケースがあります。一方で、100万円で買った株が70万円になった場合、「まだ売らなければ元に戻るかもしれない」と考えて保有を続けることがあります。
しかし、株式投資では購入価格ではなく、その企業の将来性や現在の株価が適正なのかを基準に判断することが重要です。
良い企業の株価上昇では買い増しが有効になる場合がある
決算内容が良く、売上や利益、EPS(一株当たり利益)が継続的に成長している企業の場合、株価が上昇していても投資対象として魅力が残っていることがあります。
例えば、1株1000円で購入した企業が、業績成長によって1500円、2000円と上昇した場合でも、企業価値がさらに高まっているなら買い増しを検討する投資家もいます。
このような投資方法は「上昇しているから買う」のではなく、「企業の成長が続いており、将来的な価値が現在価格を上回ると判断して買う」という考え方です。
買い増ししてはいけない上昇株もある
ただし、株価が上がっている銘柄すべてを買い増しすればよいわけではありません。業績の裏付けがなく、期待や人気だけで上昇している銘柄の場合は注意が必要です。
例えば、赤字企業なのに話題性だけで株価が急騰している場合、投資家心理が変化した瞬間に大きく下落する可能性があります。
買い増しを判断するときは、株価の動きだけではなく、決算内容、利益成長率、競争力、将来性などを確認することが大切です。
ナンピン買いが危険と言われる理由
ナンピンとは、購入した株価が下落した際に追加購入して平均取得単価を下げる方法です。成功すれば利益を出しやすくなる場合がありますが、問題は「悪い銘柄に対して行ってしまうこと」です。
例えば、業績悪化や市場環境の変化によって株価が下落している企業を、単に「安くなったから」という理由だけで買い増しすると、さらに損失が拡大する可能性があります。
一方で、一時的な要因で株価が下落しているものの、企業価値に変化がない場合には、計画的な追加投資になるケースもあります。重要なのは、下がった理由を分析することです。
損切りは失敗を認める行為ではなく資金管理の手段
損切りは「投資判断が間違っていたことを認める行為」と考えられがちですが、実際には大切な資金管理の方法です。
投資した企業の業績見通しが悪化した場合や、最初に考えた投資シナリオが崩れた場合には、損失を限定して別の有望な銘柄へ資金を移す判断も必要になります。
例えば、10万円の損失で手放した銘柄が、その後さらに50万円下落する可能性もあります。小さな損失で済ませることは、長期的に投資を続けるための重要な考え方です。
成功する投資家は株価ではなく企業価値を見る
長期的に成功している投資家は、「買った価格より上がったか下がったか」だけで判断しません。現在の株価が企業価値に対して割高なのか割安なのかを考えます。
そのため、含み益が出ている銘柄でも、成長余地が大きければ保有や買い増しを続けることがあります。反対に、含み損でも企業の将来性が失われた場合は売却することがあります。
投資判断では「自分が買った価格」ではなく、「今この会社の株を新しく買いたいと思えるか」という視点を持つことが重要です。
まとめ
株式投資では、上がった株を売って下がった株を買い増しするという行動は、多くの人が無意識に行いやすいものです。
しかし、本当に見るべきなのは株価の上下ではなく、企業の業績や成長性です。EPSが伸び続け、企業価値が高まっている銘柄であれば、株価上昇後の買い増しが有効になる場合があります。
一方で、理由のないナンピンや感情的な保有は大きな損失につながる可能性があります。投資では「上がったから売る」「下がったから買う」ではなく、企業価値と投資シナリオを基準に判断することが大切です。
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