積立NISA(現在の新NISAのつみたて投資枠)で運用を続けていると、現在の利益率から将来どれくらい増えるのか気になる人も多いでしょう。特に「最初の2年間で30%利益が出た場合、今後の利益率を予想して10年後の総合利益は何%になるのか」という計算は、投資初心者が迷いやすいポイントです。この記事では、積立投資における利益率の考え方や、単純平均では正確に計算できない理由について解説します。
積立NISAの利益率は単純に平均してはいけない理由
投資の利益率を考える際、例えば「2年間で30%、次の2年間で15%、その後10%、5%」という数字を見ると、各期間の数字を足して年数で割りたくなります。
しかし、実際の投資では利益率は単純平均ではなく、複利で計算されます。なぜなら、最初に増えた利益も次の運用元本として働くためです。
例えば100万円を投資して30%増えた場合、資産は130万円になります。その後15%増える場合は、100万円ではなく130万円に対して利益が計算されることになります。
利益率を計算する場合は掛け算で考える
複数年にわたる運用成績を計算するときは、利益率を足し算するのではなく、増加率を掛け合わせて考えます。
例えば、最初の期間で30%増加した場合は1.3倍、次の期間で15%増加した場合は1.15倍になります。つまり、100万円の場合は以下のようになります。
100万円 × 1.3 × 1.15 = 149.5万円
この場合、2つの期間を合わせた利益は49.5%となり、単純に30%+15%=45%と計算した結果とは異なります。
10年間の利益率を考える具体的な計算例
仮に質問のような運用結果になるとします。
2年間で30%、4年後までに15%、6年後までに10%、8年後までに5%、10年後までに5%という数字を、それぞれ2年間ごとの利益率として考えた場合、単純な平均では求められません。
各期間の増加率を掛け合わせる必要があります。例えば100万円を運用した場合、次のような計算になります。
100万円 × 1.30 × 1.15 × 1.10 × 1.05 × 1.05 = 約180.4万円
この場合、10年間で約80.4%の利益になり、平均して13%程度の利益という計算にはなりません。
ただし、これは最初に100万円を一括投資した場合の考え方です。積立NISAの場合は毎月購入するため、実際の利益率は投資タイミングによって変わります。
積立投資では元本の増加タイミングも重要
積立投資の場合、毎月一定額を購入するため、すべてのお金が10年間運用されるわけではありません。
例えば毎月3万円を積み立てる場合、最初の月に投資した3万円は長期間運用されますが、10年目直前に購入した分は短期間しか市場にありません。
そのため、投資信託の画面に表示される「評価損益率」は、単純な運用期間の利益率とは異なります。
同じ商品でも、一括投資した人と毎月積立した人では、同じ10年間でも最終的な利益額や利回りは変わります。
現在30%利益が出ていても将来の利益は保証されない
積立NISAを始めて2年間で30%の利益が出ている場合、非常に良い運用結果と言えます。しかし、このペースがそのまま10年間続くとは限りません。
株式市場は毎年一定の割合で上昇するわけではなく、大きく上がる年もあれば下落する年もあります。
例えば最初の2年間で30%増えた後、大きな金融危機によって20%下落する可能性もあります。そのため、短期間の利益率だけで将来の資産額を予測する場合は注意が必要です。
まとめ|積立NISAの将来利益は平均ではなく複利で考える
積立NISAの10年後の利益率を考える場合、各期間の利益率を単純に足して平均する方法では正確な計算にはなりません。
投資では利益が利益を生む複利効果が働くため、基本的には各期間の増加率を掛け合わせて計算します。
また、積立投資では購入時期が分散されるため、実際の結果は市場の動きや積立額によって変化します。現在の30%という利益は良い結果ですが、それを将来も維持できるとは考えず、長期的な視点で資産形成を続けることが重要です。
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