FX専業トレーダーから会社員へ転職できる?職歴・ブランクの伝え方と再就職のポイント

外国為替、FX

FXだけで生活する専業トレーダーになったあと、「会社員にはもう戻れないのではないか」「転職活動でFX専業だった期間をどう説明すればいいのか」と不安になることがあります。しかし、FX専業を経験したことによって、他の職業への転職が制度上できなくなるわけではありません。

実際の転職で問題になりやすいのは、FXをしていたこと自体よりも、専業期間を職歴としてどう説明できるか、以前の仕事からどの程度ブランクがあるか、応募先で必要なスキルを現在も持っているかです。専業になる前から、再就職という選択肢を残す方法も考えておくことが重要です。

FX専業になっても他の職業へ転職することはできる

FX専業を経験すると会社員へ戻れないという一般的なルールはありません。専業をやめて求人へ応募し、採用されれば再び会社員として働くことができます。

ただし、採用する企業から見れば「以前の会社を退職してから何をしていたのか」は確認したいポイントになります。数年間にわたって雇用されていなければ、その期間について面接で質問される可能性は十分にあります。

そこで重要になるのは、「FXをしていました」で説明を終わらせないことです。なぜ専業を選択したのか、どの程度の期間行ったのか、なぜ再び就職するのかを一貫して説明できれば、採用担当者も状況を理解しやすくなります。

FX専業期間は一般的な会社員の「職歴」とは性質が違う

個人資金だけを使ってFXをしていた場合、企業に雇用されていたわけではありません。そのため、一般企業での勤務経験とまったく同じ意味で職歴として評価されるとは限りません。

一方、専業期間を隠したり架空の勤務先を書いたりするのは避けるべきです。履歴書や職務経歴書では事実関係を正確にし、必要に応じて「個人で外国為替証拠金取引に従事」など、実際に行っていたことを説明する方法があります。

なお、個人でFXをしていたことを「会社経営」「金融機関でのトレーダー勤務」などと表現するのは適切ではありません。自己資金を運用する個人トレーダーと、顧客や企業の資金を扱う金融機関の専門職では業務内容や責任が大きく異なります。

転職で評価されるのはFXの利益額だけではない

専業トレーダーとして年間数百万円稼いでいたとしても、その利益額が一般企業への転職でそのまま実務経験として高く評価されるとは限りません。応募する仕事との関連性が重要だからです。

たとえば経理職なら会計知識、ITエンジニアならプログラミングやシステム開発経験、営業職なら顧客対応や営業実績などが重視されます。FXで利益を上げた実績があっても、それだけでこれらの実務能力を証明できるわけではありません。

反対に、専業期間中にデータ分析、Excel、プログラミング、英語、経済・金融の知識などを身につけ、それが応募先の仕事で利用できるならアピール材料になる可能性があります。重要なのは「トレードで勝った」ことではなく、応募先で再現できる能力として説明することです。

長期間の専業ほど再就職のハードルが上がる場合がある

専業期間が長くなると、以前の職種に戻る際に業界知識や技術が古くなる可能性があります。特にIT、技術職、法務、会計など変化の速い分野では、数年間離れている間に使用するツールや制度が変わることもあります。

たとえば30歳でエンジニアを辞めて5年間FX専業を続け、35歳で再びエンジニアを目指す場合を考えてみます。採用側が気にするのはFXそのものより、「5年間開発業務から離れていたが、現在の技術で仕事ができるか」という部分でしょう。

そのため将来的に会社員へ戻る可能性があるなら、専業期間中も以前の専門分野を勉強したり、資格を更新したり、ポートフォリオを作ったりして、職業能力を維持することには意味があります。

「会社員には戻りたくない」と感じる人もいる

専業トレーダーから転職を考えにくくなる理由は、採用上の問題だけではありません。自分で時間を決めて生活する期間が長くなると、決められた時間に出勤することや、上司・同僚との組織生活へ戻ることを負担に感じる人もいるでしょう。

逆に専業生活を経験して、毎月安定した給与が入ること、社会との接点があること、仕事と投資資金を分けられることに魅力を感じ、会社員へ戻りたいと考えるケースもあり得ます。どちらが正しいという話ではありません。

再就職する場合も、必ずフルタイム正社員だけを選ぶ必要はありません。自分の経験や希望によっては、契約社員、派遣、パート、副業可能な会社などを経由して働き方を変えていく方法もあります。

FX専業になる前に「戻れる道」を残しておく

これから専業を検討しているなら、「専業で成功できるか」だけでなく、うまくいかなかった場合の出口も考えておくことが大切です。FXはレバレッジを利用する取引であり、相場変動によって大きな損失が発生する可能性があります。

金融庁もFXについて、証拠金以上の多額の取引を行える一方、急激な相場変動などによって証拠金を上回る損失が生じる可能性があると注意喚起しています。[参照]

退職してFX収益だけで生活する場合、生活費を稼ぐ必要性から無理な取引をしてしまうリスクも考える必要があります。専業になる前に生活防衛資金を確保し、「資産がこの水準まで減ったら就職活動を始める」「○年間で安定しなければ別の仕事を探す」など撤退条件を決めておく方法があります。

転職活動では専業になった理由と戻る理由を整理する

再就職時には、「なぜ以前の仕事を辞めてFX専業になったのか」「なぜ今は会社員へ戻りたいのか」という二つを説明できるようにしておくとよいでしょう。

たとえば「一定期間、自己資金で投資に取り組んだが、今後は安定した収入を確保しながら長期的に専門性を高めたいと考えた」というように、過去から現在までの判断を事実に沿って説明します。FX専業だったことを必要以上に美化する必要も、恥ずかしい経歴として扱う必要もありません。

そして面接では投資の話だけに時間を使うより、「以前の経験を現在の仕事でどう生かせるか」「専業期間中に何を学んだか」「入社後に何ができるか」へ話をつなげることが重要です。

まとめ:FX専業になっても転職できるが、職業スキルを維持しておくことが大切

FX専業になったからといって、他の職業への転職ができなくなるわけではありません。ただし専業期間が長くなるほど、採用時にはブランクの理由や現在の実務能力について説明を求められる可能性があります。

再就職で重要なのはFXでいくら稼いだかより、応募する仕事に必要な能力を現在も持っているかです。将来的に会社員へ戻る可能性が少しでもあるなら、専業期間中も以前の専門分野の勉強や資格、実務につながるスキルを維持しておくと選択肢を残しやすくなります。

FX専業と会社員は一度選んだら二度と変更できない二者択一ではありません。専業を始める段階から生活資金、損失の上限、撤退条件、再就職の方法まで考えておけば、相場環境や人生設計が変わったときにも柔軟に進路を変更できます。

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