国債が含み損になる理由とは?満期まで持てば損しないのに評価損が発生する仕組みを解説

経済、景気

国債について「含み損が発生している」というニュースや話題を見かけることがあります。しかし、国債は満期まで保有すれば元本が返ってくるため、「なぜ損になるのか」と疑問に感じる方も少なくありません。この記事では、国債の含み損とは何を意味するのか、満期保有の場合との違い、金利変動によって国債価格が変化する仕組みについて分かりやすく解説します。

国債の含み損とは何を意味するのか

国債の含み損とは、購入した国債を現在の市場価格で計算した場合に、購入価格より価値が下がっている状態を指します。

例えば、100万円で購入した国債が、現在市場で90万円で売れる状態になっている場合、帳簿上では10万円の含み損が発生しています。

ただし、この損失は実際に売却した場合に確定する損失とは異なります。売却せず満期まで保有する場合は、基本的に額面金額が返還されるため、含み損がそのまま損失になるとは限りません。

満期まで持てば損をしないと言われる理由

国債には満期日が設定されており、満期になると発行時に決められた額面金額が返済されます。

例えば、100万円分の国債を購入し、満期まで保有した場合、途中で市場価格が90万円になったとしても、満期時には原則として100万円が戻ります。

このため、個人投資家が満期まで保有する目的で購入した国債であれば、一時的な価格下落による含み損を過度に心配する必要はありません。

なぜ国債価格は下落して含み損になるのか

国債の価格が変動する大きな理由は、市場金利の変化です。一般的に、金利が上昇すると、すでに発行されている国債の価格は下落します。

例えば、以前に発行された国債の利率が0.5%だった場合、その後に新しく発行される国債の利率が1.5%になると、投資家は新しい高金利の国債を魅力的に感じます。

その結果、古い低金利の国債を売るには価格を下げる必要があり、市場価格が下落して含み損が発生します。

具体例で見る国債の含み損

例えば、Aさんが利率0.5%の10年国債を100万円で購入したとします。その後、市場金利が上昇し、新しく発行される国債の利率が1.5%になりました。

すると、Aさんが持っている国債は新しい国債より利率が低いため、市場では100万円より安い価格でしか売れなくなる可能性があります。

この時点で売却すれば損失が確定しますが、そのまま満期まで保有すれば、利息を受け取りながら満期時に額面金額を受け取ることができます。

金融機関や日銀で問題になる国債の含み損

国債の含み損が大きな問題として扱われることがあるのは、銀行や保険会社、日本銀行など大量の国債を保有する機関です。

これらの機関は、必要に応じて国債を売却することがあります。その場合、市場価格の下落による含み損が実際の損失になる可能性があります。

例えば、銀行が預金の払い戻しなどで資金が必要になり、保有している国債を途中売却すると、購入時より低い価格で売却することになり損失が発生する場合があります。

国債投資で含み損を見る時のポイント

国債の含み損を見る場合は、「誰が保有しているのか」「満期まで保有できるのか」を考えることが重要です。

個人が余裕資金で購入し、満期まで保有する予定なら、一時的な市場価格の下落は大きな問題にならない場合があります。

一方で、途中売却の可能性がある場合や、大量の国債を運用する金融機関の場合は、金利変動による価格変化を慎重に管理する必要があります。

まとめ|国債の含み損は売却しなければ確定損ではない

国債の含み損とは、現在の市場価格で評価した時に購入価格より価値が下がっている状態を指します。

満期まで保有すれば額面金額が返ってくるため、個人投資家の場合は一時的な含み損が必ずしも実際の損失になるわけではありません。

ただし、金利上昇時には国債価格が下落しやすく、途中売却をする場合には損失が確定する可能性があります。国債を見る時は、価格だけでなく保有目的や運用期間を合わせて考えることが大切です。

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