レバレッジETFが減価する理由とは?1570・1571・1357・SPXLの仕組みを徹底解説

株式

レバレッジ型やインバース型のETFは、短期的なトレードには魅力的な一方で、長期保有により価格が減少していく「減価」の特性があります。この記事では、日経平均レバレッジETF(1570)、インバースETF(1571、1357)、そして米国のSPXLなどのETFがなぜ減価するのかを、仕組みと実例をもとに詳しく解説します。

レバレッジ・インバースETFとは何か

レバレッジETFは、対象指数の日々の値動きに対して「2倍」や「3倍」などの動きを目指す商品です。一方、インバースETFはその逆で、指数が下がれば価格が上がる仕組みです。

たとえば「1570」は日経平均の2倍の値動きを、「1357」は日経平均の逆の2倍を目指す設計です。米国ETFのSPXLはS&P500の3倍の動きを日次で反映します。

なぜ時間が経つと減価するのか?複利効果とボラティリティの影響

これらのETFは「日々の変化率」に対してレバレッジをかけているため、ボラティリティ(値動きの大きさ)が大きくなるほど、長期的には価格が下がってしまう特性があります。これは複利効果の逆、いわゆる「ボラティリティ・ドラッグ」と呼ばれる現象です。

たとえば、日経平均が1日目に+10%、2日目に-9.09%で元の水準に戻ったとしても、2倍のレバレッジETFでは元に戻らずに減価してしまいます。

減価の実例:SPXLとS&P500の比較

実際のチャートで見ると、S&P500が横ばいだった期間でも、SPXLは時間とともに下落していくケースが見られます。これは、上下の値動きが繰り返されることで価格が削られるためです。

2018年から2023年までのSPXLとS&P500の比較では、ボラティリティの高かった局面でSPXLはS&P500に比べて相対的にパフォーマンスが悪化していました。

分配金の有無と減価の関係

1570や1357といった先物連動型のETFは、現物株式の配当が存在しないため、分配金がないか、ごく少額です。そのため、長期保有しても配当によるリターンが期待できず、減価が進んだ場合にそれを補う要素がありません。

分配金のあるETFであれば、多少の値下がりがあってもインカムゲインで補える可能性がありますが、これらのETFではキャピタルゲイン頼りとなり、減価リスクがより強く表れます。

レバレッジETFはどんな投資家向けか

レバレッジやインバースETFは、短期的な相場の上昇や下落を狙うトレーダー向けの金融商品です。市場の方向性に自信があり、かつ短期間でポジションを管理できる人には有効です。

一方で、中長期でインデックス投資をしたい投資家には不向きで、積立投資や長期保有のポートフォリオに組み入れるべきではありません。

まとめ:レバレッジETFは目的とリスクを理解して使う

「1570」「1571」「1357」「SPXL」などのレバレッジ・インバースETFは、日々の変動率に対する設計のため、長期では減価していく傾向があります。これは複利効果とボラティリティが主な要因です。

その特性を理解し、適切なタイミングと用途で使うことで、トレーディングツールとしては有効に機能します。投資判断には十分な理解とリスク管理が不可欠です。

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