分配金と基準価格の変化から読み解く!投資信託の税引き後トータルリターンの計算方法

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を長期保有する上で、リターンを正しく把握することは極めて重要です。特に分配金が出た場合や基準価格が変動した場合、その利益をどう評価すればいいのか疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、購入時と1年後の基準価格、分配金額などから税引き後のトータルリターンを具体的に計算する方法をご紹介します。

投資信託のトータルリターンとは何か?

トータルリターンとは、投資元本に対して得られた「評価益(損)」と「分配金(配当)」を合わせた総合的な収益を指します。

これには売却益だけでなく、期間中に受け取ったすべての分配金も含まれるため、投資のパフォーマンスをより正確に評価できます。

事例で学ぶ:購入時と分配後の価格からリターンを計算

たとえば次のようなケースを考えてみましょう。

  • 購入時基準価格:10,000円
  • 1年後の分配金:2,000円
  • 分配後の基準価格:9,000円

まずは分配金と値下がりを加味したトータルリターン(税引き前)を求めます。評価損:9,000円 – 10,000円 = -1,000円
分配金:2,000円
トータルリターン(税引き前):2,000円 – 1,000円 = 1,000円の利益

税引き後リターンの求め方

分配金は20.315%の税金が差し引かれるため、2,000円 ×(1 – 0.20315)≒1,593円が実際に受け取れる金額です。

したがって、税引き後トータルリターン = 1,593円(分配金手取り) – 1,000円(評価損) = 593円

注意すべきポイント

  • 分配金は一見プラスに見えますが、基準価格が下がると実質的に元本を取り崩している可能性があります
  • 税引き前の利益が出ていても、手取りで見ると意外と少ないことがあります
  • トータルリターンをきちんと把握することで、「高分配=高利益」という誤解を避けられます

複利効果を狙うなら再投資も検討しよう

分配金をそのまま再投資に回すと、元本が増え複利効果が働きやすくなります。長期投資でトータルリターンを最大化したい場合は「分配金再投資型」を選ぶという選択肢もあります。

まとめ:分配と価格のバランスが鍵

投資信託のリターンを評価するには、単に分配金額を見るだけでなく、基準価格の変化や税引き後の受取額まで含めて計算することが大切です。今回のようなケースでは、税引き後で見ると593円の実利益となります。見た目の分配額に惑わされず、トータルでの損益を冷静に評価しましょう。

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