消費者余剰とは、消費者が支払う意思のある価格と実際に支払う価格との差額のことを指します。自由貿易を行う際、消費者余剰は重要な指標となり、消費者にとってどれだけの利益があるかを示します。本記事では、消費者余剰を求めるための方法と、具体的な需要曲線と供給曲線を使った計算手順を解説します。
1. 消費者余剰とは?
消費者余剰は、消費者が商品を購入するために支払いたいと思っている価格と、実際に市場で支払う価格との差額を示す経済学の概念です。市場での取引が成立すると、消費者はその商品の最大支払意欲を超えることなく購入することができます。この差額を「消費者余剰」と呼び、経済効率性や消費者の利益を測るために用いられます。
例えば、消費者がある商品に対して支払う意欲が高ければ高いほど、その消費者が得る余剰(利益)は大きくなります。この消費者余剰を視覚的に捉えるために、需要曲線と供給曲線を用いたグラフを使うことが一般的です。
2. 需要曲線と供給曲線の基本
消費者余剰を計算するためには、まず市場の需要曲線と供給曲線を理解する必要があります。需要曲線は消費者が異なる価格に対してどれだけの量を購入するかを示し、供給曲線は生産者が異なる価格に対してどれだけの量を供給するかを示します。
この記事で取り上げる具体例では、以下の需要曲線と供給曲線が与えられています。
- 需要曲線: D = -20p + 500
- 供給曲線: S = 30p – 150
これらの式を使って市場の均衡価格と均衡取引量を求めます。
3. 市場の均衡価格と均衡量の計算
まず、需要曲線と供給曲線が交差する点、つまり市場の均衡を求めます。均衡点では、需要量と供給量が一致します。したがって、需要曲線と供給曲線の式を等しくします。
需要曲線: D = -20p + 500
供給曲線: S = 30p – 150
これを等式として解くと、均衡価格pを求めることができます。
-20p + 500 = 30p - 150
両辺のpを整理すると、次のようになります。
500 + 150 = 30p + 20p
650 = 50p
よって、均衡価格はp = 13となります。これが市場の均衡価格です。
4. 自由貿易による消費者余剰の計算
次に、自由貿易を行った際の消費者余剰を求めます。自由貿易を行うと、国際価格が与えられ、国内市場の価格がこの国際価格に一致します。今回は、国際価格がp = 11と指定されています。
消費者余剰は、需要曲線と実際の市場価格との間に形成される三角形の面積として求められます。この三角形の高さは、最大支払意欲と実際の価格との差(需要曲線のy軸との交点と国際価格の差)であり、底辺は市場で取引される数量です。
まず、国際価格p = 11での需要量を求めます。需要曲線D = -20p + 500にp = 11を代入すると。
D = -20(11) + 500 = -220 + 500 = 280
したがって、国際価格p = 11での需要量は280です。
次に、消費者余剰を求めるための三角形の面積を計算します。この三角形の面積は、以下の式で求められます。
消費者余剰 = 0.5 × 底辺 × 高さ
底辺は市場で取引される数量、すなわち280、そして高さは最大支払意欲(需要曲線のy軸との交点)と実際の価格p = 11との間の差です。
需要曲線のy軸との交点は、p = 0のときの需要量、すなわちD = -20(0) + 500 = 500です。
したがって、高さは500 – 11 = 489です。
これを元に消費者余剰を計算すると。
消費者余剰 = 0.5 × 280 × 489 = 68340
自由貿易を行った場合の消費者余剰は68340となります。
5. まとめ
消費者余剰は、消費者が得る利益を示す重要な経済指標です。自由貿易下では、国際価格によって消費者余剰が大きく変化することがあります。今回の例では、需要曲線と供給曲線を用いて均衡価格を求め、自由貿易による消費者余剰を計算しました。この手法を理解することで、他の経済問題にも応用することができます。
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