自動売買ソフト(EA)を運用していて、「勝率は高いのに利益が出ていない」という現象に悩まされることは少なくありません。例えば、26勝3敗という素晴らしい成績を出しているにもかかわらず、収支がマイナスになっている場合、そのEAは本当に回し続ける価値があるのでしょうか?この記事では、EAの実力を見誤らないために、勝率だけでは判断できない本質的な評価ポイントを解説します。
勝率の高さは利益を保証しない
一見すると26勝3敗という数字は非常に優秀ですが、肝心なのは「勝ちトレード」と「負けトレード」の金額差です。例えば、26回の勝ちで各100円の利益、3回の負けで各1,000円の損失を出していれば、トータルではマイナスになります。
このような「リスクリワード比率」の悪さは、勝率に騙されやすいEAの典型的な特徴です。EAを評価する際には勝率ではなく「損益比(平均利益 ÷ 平均損失)」を確認しましょう。
ドローダウンと資金管理の観点
EAが一時的にマイナスを出していても、それが許容範囲内のドローダウンであれば問題ありません。しかし、ドローダウンが口座資金の10%を超えているようであれば、リスク管理が甘い可能性があります。
また、EAが取るポジションサイズが資金に対して適正かどうかも重要な判断基準です。リスクリターンの最適化ができていないと、ちょっとした損失で口座が吹き飛ぶ可能性もあるのです。
バックテストとの乖離を確認しよう
EAの開発段階ではバックテストが行われますが、実運用との結果が大きく乖離している場合は要注意です。例えば、過去の相場に最適化されすぎている「カーブフィッティングEA」は、実際の相場変動には対応しづらく、リアル口座では不安定な成績になることが多いです。
自分が使用しているEAのバックテスト結果と実績を比較して、どれくらいの相関性があるかを確認しましょう。信頼できるEAは、長期的な相場でも一貫したパフォーマンスを見せます。
資産推移のグラフから読み解く価値
EAの「価値」を判断する上で、資産推移のグラフ(エクイティカーブ)は非常に有用です。たとえ利益が微々たるものであっても、右肩上がりに安定していれば、長期で回す価値はあるでしょう。
逆に、上下に激しく揺れながら最終的にプラスになっているだけであれば、精神的にも金銭的にも持ちこたえるのが難しくなります。継続利用の判断には視覚的なチェックも取り入れるとよいでしょう。
EAの運用目的を見直すタイミング
EAには「資産を増やすためのEA」と「リスク分散のためのEA」があります。たとえば、本業が忙しくトレードできない人にとっては、わずかでも安定した収益を出してくれるEAは貴重な存在です。
逆に、短期での利益を追求したい人にとっては、利益が出ないEAは時間と資金のロスになる可能性も。自分の投資スタンスに照らして、「このEAをなぜ使っているのか」を改めて確認してみましょう。
まとめ:数字の裏側にある“本質”を見逃すな
勝率が高くても収支がマイナスになるEAは、「数字の罠」に陥っている可能性があります。損益比やドローダウン、実績とバックテストの乖離など、多角的な視点でEAを評価することが重要です。
たとえ一見地味でも、安定して右肩上がりの成績を出すEAには長期的な価値があります。感情的に判断するのではなく、データを冷静に分析して、EAの「真の実力」を見極めましょう。

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