伝説的トレーダー、ニコラス・ダーバスが『私は株で200万ドル儲けた』と語ったのは1950年代のアメリカ。当時の200万ドルという金額は、現代の価値に換算するとどの程度になるのでしょうか?この記事ではインフレ調整や購買力の観点から当時の価値をひもとき、現代投資家にとっての意義を探ります。
ニコラス・ダーバスとは何者か?
ニコラス・ダーバス(Nicolas Darvas)は、プロのダンサーでありながら、独自の株式売買手法「ボックス理論(Darvas Box)」を用いて1950年代後半に株式投資で成功を収めた人物です。彼の著書『私は株で200万ドル儲けた(How I Made $2,000,000 in the Stock Market)』は、株式投資におけるブレイクアウト戦略の元祖として、今もなお多くの投資家に読み継がれています。
当時、彼は書籍の中で2年足らずの間に200万ドル(米ドル)を稼いだと記述しています。これはただの成功談ではなく、独自のルールと感情に流されないトレードスタイルの証明でもありました。
1950年代の200万ドルは現代でいくら?
1959年を基準に考えると、当時の1ドルの購買力は2024年時点でおよそ10倍前後に相当します。アメリカの労働省のインフレ計算ツールや歴史的CPIデータに基づけば、200万ドルは現代でおよそ2,000万〜2,200万ドル(日本円にして約30〜35億円以上)に相当すると推定されます。
つまり、ダーバスの成功は一時的なラッキーではなく、数十億円規模の金融成果だったことがわかります。
どうやってダーバスはこれだけの資産を築いたのか
ダーバスの成功の鍵は、「情報に振り回されない姿勢」と「一貫したルール運用」にありました。彼は当時のウォール街のインサイダー情報や証券マンの意見に頼らず、チャート分析と出来高に基づいた独自のエントリー・エグジットルールで売買を繰り返しました。
ボックス理論とは、株価が一定の範囲(ボックス)で推移している間に次のブレイクアウトの兆候を読み取り、ボックス上抜け時にエントリーし、下抜けでストップをかけるというシンプルかつ効果的な戦略です。
投資戦略としての「ボックス理論」の現代的活用
近年のテクニカル分析でも、ボックス理論の概念は「レンジブレイクアウト」や「サポレジ理論」などに応用され、アルゴリズム取引にも組み込まれています。つまり、ダーバスの理論は古びておらず、むしろ市場の本質を突いた普遍的な戦略と言えるでしょう。
現代ではTradingViewやMetaTraderなどのツールで簡単にボックスを可視化できるため、個人投資家でも実践しやすい環境が整っています。
現代の個人投資家にとっての教訓
ダーバスの物語が私たちに教えてくれることは、「職業投資家でなくても勝てる可能性がある」という事実です。また、感情的な取引ではなく、戦略に基づいた取引が富を築く鍵であるという点も現代に通じる大きな示唆です。
また彼はダンサーとして各国を巡る中でも取引を続け、電報で株価の変動を追っていたというエピソードから、情報に対する距離の取り方も一貫していたことがうかがえます。
まとめ:200万ドルの価値は数字以上の意味を持つ
1950年代の200万ドルは、現代でおよそ2,000万ドル=30億円以上の価値があることがわかりました。ですが、それ以上に重要なのは、ニコラス・ダーバスのように自分の信念と分析手法を貫く姿勢です。テクノロジーや金融商品が変わっても、「ルールを守る」という彼の原則は今なお有効。ダーバスの物語は、現代の投資家にとっても学びに満ちたものと言えるでしょう。

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