ナンピン後の株の取得単価と損益の正しい理解方法｜初心者が陥りやすい誤解を解説

株式投資をしていると、保有株の評価損益や取得単価の扱いについて疑問を持つことがあります。とくに「ナンピン（難平）」後の損益計算や取得単価の変化については、多くの初心者が混乱しやすいポイントです。本記事では、具体的な例を交えながら、ナンピン後の取得単価やその後の売却時の損益の考え方をわかりやすく解説します。

ナンピンとは？基本の考え方

ナンピンとは、保有株が値下がりした際に追加購入することで、平均取得単価を下げる投資手法です。株価が回復すれば早めに損益トントン、またはプラスに持っていけるメリットがあります。

たとえば、最初に1株300円で100株買い、その後100円まで下がったタイミングでさらに100株買った場合、合計200株を2万円で購入したことになり、平均取得単価は200円になります。

ナンピン後に一部売却した場合の取得単価

平均取得単価は全体保有株に適用されます。そのため、たとえば上記のように平均取得単価が200円の状態で、100株を株価100円で売却した場合、売却分も200円で取得したと見なされるため、1株あたり100円の損失となります。

つまり、売却した100株が最初の300円分であるか、後からの100円分であるかは区別されず、「平均取得単価」で損益が計算されます。

残りの保有株の取得単価はどうなるのか

売却した分の株数を差し引いても、残りの保有株の平均取得単価は変わりません。つまり、200円のままです。株数が半分になったとしても、単価は変わらず、取得時の総額から売却損益を差し引くことで残った株の簿価が調整されます。

この点が初心者が混乱しやすい部分で、「残った株は最初に買った300円の株だ」と考えてしまうと、実際の評価損益とずれてしまいます。

損益計算の具体的な例

以下に、具体的な数字で確認してみましょう。

売却後の保有株は100株で、平均取得単価は200円のまま、総額20,000円です。

なぜ平均取得単価が使われるのか

日本の株式取引では、特定口座（源泉徴収あり）を使っている限り、取得単価は「移動平均法」によって一律計算されます。個別の株に紐づいた買値管理はされません。これにより、税務上の処理も簡略化されています。

もし取得単価を個別に管理したい場合は、一般口座や特定口座（源泉徴収なし）で管理し、自身で帳簿をつける必要があります。

まとめ：ナンピン後の単価管理のコツ

ナンピンを行ったあとの株の平均取得単価はすべての保有株に共通で適用されます。売却した分と残った分を「どのタイミングで買ったか」によって区別しない点がポイントです。したがって、ナンピン後に一部売却しても残りの株の取得単価は変わらず、そのまま「平均単価」として継続されます。

取得単価や損益に混乱しないためには、証券会社の「取引履歴」「評価額」などを日々確認しながら、平均単価の計算と損益の関係をしっかり理解しておくことが重要です。

rieki

こんにちは！利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。