株式投資において、取引所外での売買が可能な「PTS(私設取引システム)」は、個人投資家にとっても注目される取引手段の一つです。しかし、PTSは「買う場」なのか「売る場」なのか、そのイメージは人によって異なります。この記事では、PTSの実態とその活用方法について詳しく解説します。
PTSとは?基本の仕組みを確認
PTSとは「Proprietary Trading System」の略で、東京証券取引所などの公開市場ではなく、証券会社などが提供する私設の株式取引市場のことを指します。代表的なPTSにはSBIグループが運営する「SBI PTS」や、ジャパンネクスト証券が提供する「JNX」などがあります。
証券取引所とは異なり、取引時間が夜間にも対応していたり、取引手数料が安かったりするため、個人投資家からも注目されています。
PTSは「売る場」なのか?
「PTSは売る場」というイメージを持つ方もいますが、それには理由があります。PTS市場では、東証の引け後(15:00以降)でも取引できる夜間取引が可能で、日中の相場を見てから売り注文を出す投資家が多いため、売り注文が目立ちやすいのです。
特に、日中の値動きを見て「利益確定」や「損切り」のために売却したいと考える投資家が、夜間にPTSで注文を出すケースが多く、結果として「売る場」という印象を持つ人が増えているのかもしれません。
実は「買うチャンス」も多いPTS
一方で、PTSは買い注文にも大きなメリットがあります。日中の市場よりも割安な価格で注文が出されていることもあり、PTSはバーゲン的な買い場になることもあります。
例えば、決算発表後に株価が急落した銘柄に対して、PTSでは投げ売りのような売りが出ることがあり、そうした局面では「買い手」にとって魅力的な価格で購入できる可能性もあります。
PTSを利用する際の注意点
PTSは東証と同じルールで運営されているわけではないため、いくつか注意点があります。たとえば、板の薄さ(注文の少なさ)や、約定のしにくさ、値幅制限がない点などが挙げられます。
また、PTSで約定した株式は、翌営業日の東証の始値とは異なる価格で動く可能性があるため、短期トレードにはリスクもあります。
PTSを使った具体的な活用例
たとえば、日中の相場で買いそびれた銘柄を、夜間のPTSで安く仕込むといった使い方が有効です。逆に、日中で含み益が出た銘柄を、場中に売れなかった場合、PTSで利益確定することも可能です。
このように、PTSは「買い」と「売り」の両方に柔軟に使える取引市場であり、時間外に戦略的な売買を行えるのが最大の利点です。
まとめ:PTSは買い・売りどちらも可能な柔軟な市場
PTSは「売る場所」というイメージを持たれがちですが、実際には売買どちらにも適しており、特に時間外の取引ニーズに対応した柔軟な取引の選択肢として活用されています。
「夜間に売りたい」「日中の相場で出遅れたが今買いたい」といった多様なニーズに応えるために、PTSは買い手・売り手の両者にとって有用な場です。PTSを正しく理解し、戦略的に活用していくことで、より充実した株式投資が可能になるでしょう。

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