投資の世界では常識から外れた行動が大きなリターンを生むこともあります。倒産した企業の株、いわゆる”倒産株”を買う投資家たちは、一見すると非合理的な選択をしているように思えるかもしれません。しかし、その背景にはリスクを受け入れたうえでの冷静な判断や投資戦略がある場合もあるのです。
そもそも倒産株とは何か?
倒産株とは、民事再生や破産手続きを開始した企業の株式を指します。通常、これらの企業の株価は急落し、0円近くになることも少なくありません。株主は企業の資産配分で最も後回しにされるため、価値がゼロになる可能性は極めて高いです。
それでも一部の投資家が倒産株に注目する理由は、再建やスポンサー支援によって奇跡的に復活する事例があるからです。
倒産株を買う人の心理と目的
倒産株を買う人たちは「破滅思考」で動いているわけではありません。むしろ彼らの多くは、ハイリスク・ハイリターンの投資を意識的に選んでいます。再建によって株価が急騰する”リバウンド狙い”、あるいは株価操作のターゲットとなる可能性を踏まえて”仕手戦”の恩恵を期待することもあります。
また、「宝くじ感覚」で数万円を投じる個人投資家も存在します。こうした投資家は、元手の損失よりも「復活すれば数倍になる」可能性に魅力を感じているのです。
実際に起きた倒産株の復活事例
例えば、過去には再建型倒産(民事再生や会社更生)を経て事業再生に成功し、株価が急騰した企業もあります。2008年に経営破綻したジャル(日本航空)は、再上場後に注目を集めましたが、旧株主には一切配当されなかったため、株式投資家にとってはリスクが高いことが再確認されました。
他方、スカイマークのように、破綻後に再建し上場維持できた例もあり、一部の投資家に利益をもたらしました。とはいえ、これはごく稀なケースであることを忘れてはなりません。
倒産株に投資する際のリスク
倒産株における最大のリスクは、全損の可能性が極めて高いという点です。会社が破産した場合、株式の価値は文字通りゼロになります。
さらに、情報開示が遅れたり、売買が急激に停止されたりするなど、市場としての機能が著しく損なわれることもあります。また、仕手筋による投機対象になることも多く、価格が異常に乱高下するため、通常の投資とは別物と考えるべきです。
倒産株投資は推奨されるか?
基本的に、倒産株への投資は長期的・安定的な資産形成を目指す投資家には推奨されません。むしろ、ギャンブル的要素が強く、短期の投機として割り切ったうえでの資金投入が前提です。
たとえ安値であっても、株には”適正価格”が存在します。安いからといって価値があるとは限らず、むしろ「安い理由がある」という前提を常に意識するべきです。
まとめ:投資判断は自分のスタンスとリスク許容度で
倒産株を買うことは、破滅思考ではなく、あくまでリスクを理解したうえでの投資行動です。ただし、そのリスクは非常に高く、損失の可能性が極めて大きいことから、安易に手を出すべきではありません。
自分の資産運用方針とリスク許容度を見直したうえで、冷静な判断を下すことが大切です。投資とは常に「なぜ買うのか」「何を期待するのか」を自問自答し続けることが求められる行為なのです。

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