確定申告において、「源泉徴収ありの特定口座」の取り扱いは混乱しやすいポイントです。特に扶養の範囲内で、配偶者名義での確定申告を避けたいと考えている方にとっては、どこまで申告書に記載する必要があるのか不安がつきものです。本記事では、源泉徴収ありの特定口座の扱い、確定申告への記載の有無、扶養や世帯年収への影響などをわかりやすく解説します。
特定口座(源泉徴収あり)とは?
証券会社で株式投資を行う際、多くの方が「特定口座(源泉徴収あり)」を利用しています。これは、株の売買で得た利益に対して証券会社が自動で税金(所得税・住民税)を計算し、納税まで済ませてくれる仕組みです。
このため、基本的には税務上の処理は完了しており、確定申告をする義務はないとされています。これが「申告不要制度」と呼ばれるものです。
確定申告書に記載は必要?
確定申告で「寄付金控除」や「医療費控除」などを行う場合、通常の給与所得に加えて、株式の譲渡益や配当金などを記載する必要があるか気になるところです。
結論から言うと、源泉徴収ありの特定口座で課税が完結している限りは、確定申告書にその内容を記載する必要はありません。 これは、あくまで任意の申告(=申告不要制度を選択)という扱いになるからです。
ただし、「損益通算」や「配当控除」の適用を受けたい場合は、確定申告書に記載が必要となるため、目的に応じて対応を変える必要があります。
扶養や世帯年収への影響
被扶養者の立場である場合、「本人名義で確定申告をしない」というのは重要な判断になります。なぜなら、確定申告を行うことで、税務署がその人の所得を個別に認識し、「扶養控除の対象外」とみなされるリスクが生じる可能性があるからです。
一方、特定口座での取引に関しては課税が済んでいるため、その収入が扶養に影響することは原則ありません。確定申告をせずに課税が完結していれば、健康保険上の被扶養者認定にも影響しにくいです。
実際の確定申告入力画面の扱い
国税庁の「確定申告書作成コーナー」では、途中に「株式等に関する収入があるかどうか」の質問がありますが、源泉徴収ありで完結している場合は「いいえ」で問題ありません。
この入力をスキップすることで、不要な記載やトラブルを避けることができ、扶養認定への影響も回避できます。
こんな場合は記載が必要になる
- 配当控除を受けて、所得税の還付を受けたい場合
- 株式の譲渡損失と他の収益を損益通算したい場合
- 複数の証券口座を持っており、通算したい場合
このようなケースでは、申告しないと損になる可能性もあります。その際は配偶者の扶養や保険の条件を確認したうえで慎重に申告を行いましょう。
まとめ:目的によって申告の要否を判断
源泉徴収ありの特定口座であれば、基本的に確定申告書への記載は不要で、扶養への影響もありません。ただし、損益通算や配当控除を活用したい場合は記載が必要になります。
ご自身がどのような目的で申告を行うのかを明確にし、それによって申告の範囲を調整することが大切です。わからない点があれば、税務署や税理士への相談も検討してみてください。

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