テクニカル分析はなぜ“後講釈”と言われるのか?事前予測との向き合い方

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投資の世界では「テクニカル分析は後講釈にすぎない」と揶揄されることがあります。実際、チャートを振り返るときに「このサインが出ていたから下がるのは当然だった」と語るのは簡単です。しかし、リアルタイムの中でそのサインをどう活かすかはまったく別の話です。この記事では、テクニカル分析が後講釈になりがちな理由と、それでも投資判断に役立つ理由を解説します。

テクニカル分析が「後講釈」と呼ばれる理由

最もよくある批判は、テクニカル指標が「過去の値動き」だけを元にしており、未来を直接予測するものではないという点です。たとえば移動平均線やRSIは、すでに形成された価格を元にした統計的処理の結果にすぎません。

つまり、チャートを振り返って解釈する際には、「後出しじゃんけん」のように都合のいいように分析してしまう傾向があります。これが“後講釈”と呼ばれる所以です。

なぜテクニカル分析がそれでも使われ続けるのか

それでも多くの投資家がテクニカル分析を使うのは、「多数の市場参加者が同じような指標を見ている」ためです。つまり、テクニカル分析は「自分がどう思うか」ではなく「他人がどう動くか」を読むツールでもあります。

たとえば「75日移動平均線を超えたら買い」という認識が広く共有されていれば、たとえ根拠が弱くてもその価格帯で実際に買いが入りやすくなります。

事前に予測できることとできないこと

テクニカル分析の最大の限界は、確率論的なものであって絶対的ではないことです。ダブルトップやヘッドアンドショルダーが出現したとしても、それが確実に機能するとは限りません。

ただし、過去の統計的なバックテストに基づいて「どのパターンが何%の確率で成立するか」といった期待値を持って戦略を立てることは可能です。このように、事前に“シナリオ”を立てて備えるのが本来の使い方といえます。

実例:MACDとゴールデンクロスの後講釈問題

MACDがシグナルを上抜けたときに「買いサインが出た」と解釈することはできます。しかし、それが反転してすぐ下がることもあり、事後的に見ると「だましだった」と言うしかないケースも存在します。

このようなとき、単一の指標に頼ることの危険性や、損切りルールの重要性が浮き彫りになります。

テクニカル分析を機能させるためのコツ

  • 複数の指標を組み合わせて総合判断する
  • ルールベースの売買戦略を作成し、検証する
  • 主観的な判断を避けて、エントリーとイグジットの基準を明確にする
  • リスク管理を徹底し、だましにも対応できる資金配分をする

たとえば、「RSIが30以下で、かつサポートラインで反発したら買い」など、複数の条件が揃ったときだけ行動するスタイルが有効です。

まとめ:後講釈を恐れず、再現性を高める工夫を

テクニカル分析が“後講釈”に見えるのは、明確なルールと期待値の把握が不十分なまま使われることが多いからです。しかし、ルールを明文化し、トレードの再現性を高めれば、十分に武器になります。

後講釈ではなく、「仮説と検証」を重ねるアプローチとしてテクニカル分析を活用していくことが、相場で生き残る上での本質的な戦略といえるでしょう。

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