証券外務員試験問題:権利行使価格と損益の計算方法

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証券外務員試験において、オプション取引の損益計算はよく出題される問題です。特に、買いオプションと売りオプションを同時に取引する場合、その損益計算は少し難しいかもしれません。今回は、具体的な問題を例に、損益をどのように計算するかを解説します。

1. 問題の内容

問題は、ある顧客が権利行使価格1120ポイントのTOPXヨール・オプションをプレミアム40ポイントで10単位買い、さらに同じく権利行使価格1120ポイントのTOPIXプット・オプションをプレミアム20ポイントで10単位売り建てるというものです。その後、最終決済期日にSQ値(特別清算数値)が1,140ポイントに達した場合の損益を求めるという問題です。

2. オプション取引の基本

まず、オプション取引の基本を理解しましょう。オプション取引は、買い手と売り手が特定の価格(権利行使価格)で、将来の一定期間内に資産を売買する契約です。買いオプション(コール)は、買う権利を、売りオプション(プット)は、売る権利を提供します。

3. 問題の取引内容を解説

この問題では、権利行使価格1120ポイントのコールオプション(買い建て)と、プットオプション(売り建て)が組み合わさっています。コールオプションを買って、プットオプションを売ることは「合成先物の買い」という戦略になります。具体的には、

  • コールオプションのプレミアム(買う権利の費用)は40ポイント。
  • プットオプションのプレミアム(売る権利の収入)は20ポイント。

これらを組み合わせると、実質的に40ポイントのプレミアムを支払い、20ポイントを受け取ることになります。最終的な差額は、20ポイントのコストです。

4. SQ値が1,140ポイントになった場合の損益

SQ値が1,140ポイントになった場合、コールオプションは行使されます。1,140ポイントで売る権利を持っているため、利益が得られます。一方、プットオプションは行使されません。なぜなら、1,140ポイントの市場価格では、売る権利は無価値だからです。

コールオプションの利益は、(1,140ポイント – 1,120ポイント) × 10単位 = 200ポイントです。プットオプションの損失はありません。つまり、全体の損益は0で、損益なしとなります。

5. 合成先物と損益計算

この戦略は、合成先物の買いとしても知られています。合成先物の買いとは、コールオプションを買い、プットオプションを売ることで、先物の買いと同じようなリスク・リターンを得る戦略です。この場合、損益の合計は0となり、「損益なし」が正解となります。

6. まとめ

証券外務員試験で出題されるオプション取引の損益計算問題では、基本的な計算方法をしっかり理解しておくことが重要です。この問題では、合成先物の買いという戦略を使って、損益計算を行いました。最終的に、SQ値が1,140ポイントになった場合、損益なしとなることがわかりました。

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