スマート証券などのネット証券で株式を売却した際、「預かり金に反映されているのに出金可能額に含まれていない」という経験をした方は少なくありません。これは証券取引の決済サイクルに関係する仕組みによるものです。本記事では、その背景と一般的な所要日数、注意点を解説します。
株式売却後の資金の流れを理解する
株式を売却した際、すぐに「預かり金」には反映されますが、それが「出金可能額」として引き出せるようになるまでには通常時間がかかります。これは日本の証券取引において「受渡日」が2営業日後（T+2）と定められているためです。
たとえば、月曜日に株を売却した場合、その資金が正式に受け渡されて自由に出金できるのは水曜日になります。この受渡日までは、あくまで“予定された売却金”であり、未確定な状態なのです。
スマート証券の出金可能額に反映されるまでの具体的な日数
スマート証券でも、株式売却後の資金は以下のような流れで反映されます。
- T日（約定日）： 売却が成立した日。預かり金には即日反映される。
- T+2日（受渡日）： 出金可能額に反映され、引き出し申請が可能となる。
例えば、木曜日に売却した場合、土日は非営業日のため、実際に出金可能になるのは翌週月曜日となります。
なぜ「預かり金」と「出金可能額」は異なるのか
「預かり金」はあくまで“証券口座内の資産”として管理されており、出金処理には決済の完了が必要です。これは証券会社が決済リスクを管理するためのルールでもあり、システム的にも資金が移動するのはT+2日に制限されています。
また、NISA口座や信用取引口座など特定の条件によって、出金に制限がかかる場合もあるため、取引内容に応じて注意が必要です。
土日・祝日を挟んだ場合の注意点
営業日計算に土日や祝日が含まれる場合は、その日数分だけ受渡日が後ろ倒しになります。特に連休前の売却などでは、「思ったより出金が遅い」と感じることがあるため、計画的な資金移動を心がけましょう。
例えば、金曜日に売却した場合、土日を挟んで受渡日は翌週火曜日となります。月曜日が祝日であれば、さらに水曜日にずれ込む点に注意が必要です。
出金手続きを行う際の流れと所要時間
受渡日以降、スマート証券のマイページから出金申請を行うと、通常1〜2営業日以内に指定の銀行口座へ振り込まれます。ただし、以下の点に留意してください。
- 出金申請の締切時間： 通常は14時〜15時頃。それ以降の申請は翌営業日扱い。
- 土日祝をまたぐ場合： その分だけ入金も遅れる。
- 口座名義の不一致： 振込エラーの原因になるため、事前に確認を。
出金には振込手数料がかかるケースもあるため、必要に応じてスマート証券の料金表を確認しておきましょう。
まとめ：売却後の出金には最短でも2営業日が必要
スマート証券に限らず、日本の証券会社では株式売却後の資金が出金可能額に反映されるまでに通常2営業日が必要です。このサイクルを理解しておくことで、不要な不安や誤解を防ぎ、スムーズな資金管理が実現できます。
取引前には、受渡日と出金可能タイミングを逆算して計画的に売却を行いましょう。
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