夫婦で新NISAを始めるならどっちが効率的?1口座集中 vs 夫婦別々の活用法を徹底比較

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度では、個人ごとに最大1800万円の非課税投資枠が与えられています。夫婦で月10万円ずつ、計20万円を投資に回す場合、1人の口座に集約して1800万円を達成してからもう一方の口座を使う方法と、最初から夫婦で並行して積立てる方法の2通りが考えられます。果たしてどちらが投資効率に優れるのでしょうか?

新NISAの非課税投資枠は「個人単位」

新NISAの制度では、年間の非課税投資枠はつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円、そして生涯非課税枠は最大1800万円です。これは1人あたりの上限であり、夫婦それぞれに別の口座が必要となります。

したがって、「2人分の資金を1人のNISA口座に集約して使う」ことは制度上できません。実際の入金は名義人自身の資金である必要があり、配偶者名義の口座に他人が代理で入金するのは形式上NGとされています。

パターン①:片方に集中して1800万円満額後にもう一方

この方法は、理論上は「一方の資産を先に最大化する」戦略です。ただしNISA口座は1人1口座であり、年間の拠出上限(最大360万円)を超えて月20万円入れることはできません

つまり、月20万円のうち10万円は余ることになり、その期間に資金を遊ばせてしまう可能性があります。また、非課税枠の利用が遅れる側(妻口座など)は「複利の効果」を十分に享受できない期間が生じてしまいます。

パターン②:夫婦で月10万円ずつ並行して積立する

こちらは最も制度に適合した運用方法で、非課税枠を効率よく分散して埋めていける戦略です。年間それぞれ120万円×5年で600万円、成長投資枠も活用すれば5年で1800万円ずつに届きます。

この方法では、夫婦合計3600万円の非課税資産を効率よく構築できます。複利効果も夫婦ともに早期から享受でき、長期的には資産形成に有利となる可能性が高いです。

投資効率に差が出るのは「運用開始時期」

仮に年利5%で運用した場合、早く始めたほうが時間の力(複利)で資産が大きく育ちます。

運用パターン 非課税資産合計(5年後)
片方集中(毎月20万円) 1800万円+5年後にもう一方開始=複利効果限定
夫婦並行(毎月10万円ずつ) 1800万円×2=3600万円非課税+早期複利

時間を味方にするという意味で、早く非課税枠を埋めるより、早く広く非課税で運用を始めた方が最終的な利益は大きくなる可能性が高いといえます。

制度の観点から見た注意点と実行アドバイス

  • それぞれのNISA口座での資金管理は「各人の収入や資金」を使う必要がある
  • 税務上の贈与には注意(1年110万円までの非課税枠あり)
  • 投資信託は同じ商品を選んでも口座が異なれば個別に管理
  • 自動積立設定の際は、それぞれの証券口座・銀行口座の連携が必要

また、夫婦での投資の場合は、ポートフォリオ全体のバランス(国内・海外、株式・債券など)を意識しながらリスク分散を図るとより効果的です。

まとめ:夫婦でNISAを始めるなら「同時スタート」が最も効率的

結論としては、

  • 1人に集約して1800万円→もう一方、は制度上不可能
  • 夫婦それぞれが毎月10万円ずつ積立てるのが最も効率的
  • 複利の効果を2人分活かせることで、長期的な非課税資産の最大化に繋がる

税制優遇を最大限に活かすためにも、夫婦で計画的かつ並行的に新NISAを活用していくことが、資産形成の王道といえるでしょう。

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