資産運用の中でも「債券」は比較的安定性の高い投資とされていますが、インフレの影響を受けやすいという一面もあります。本記事では、インフレと債券の関係、償還まで保有するスタイルの意味、そして初心者が知っておくべき注意点について丁寧に解説します。
インフレになると債券は不利？
インフレが進行すると、債券の魅力は相対的に低下します。なぜなら、債券の利息（クーポン）は固定されていることが多く、物価が上昇してお金の価値が下がると、その利息の「実質的な価値」も下がってしまうからです。
たとえば、年利1％の債券を持っていても、インフレ率が年3％になると、実質的にはお金の価値が目減りしている状態になります。つまり、高インフレ期には債券の購買力が落ちるため、インフレ見通しが高いときは慎重な判断が求められます。
債券は償還まで保有するのが基本？
一般的に、債券投資では「満期まで保有する」スタイルが基本とされています。満期まで持てば、額面（元本）が返ってきて、保有中は利息を定期的に受け取れます。特に国債などの信用度が高い債券では、償還までの保有が安定した運用に繋がります。
ただし、市場で途中売却も可能です。その場合、金利動向により価格が上下し、売却益が出たり損失が出たりすることもあります。金利が上がれば債券価格は下がるため、インフレによる利上げ局面では途中売却に注意が必要です。
国債の基本的なしくみを理解しよう
国債は、国が発行する債券であり、信頼性が高く個人投資家にも人気があります。たとえば、10年満期の固定利付国債を購入すると、毎年一定の利息が支払われ、満期には額面どおりに償還されます。
購入方法も比較的簡単で、銀行や証券会社、郵便局などから申し込めます。日本国債については財務省の公式情報ページも参考になります。
途中売却と市場価格の関係
債券は満期前に売却することもできますが、売却時の価格は「市場金利」に大きく左右されます。金利が上がると債券の価格は下がり、反対に金利が下がれば価格は上がります。
たとえば、年利1％の債券を保有しているときに、市場金利が2％になった場合、他の投資家にとっては利回りが見劣りするため、売却価格が下がるのです。逆に、金利が下がれば保有債券の価値が上がるので売却益が得られることもあります。
初心者におすすめの債券運用スタイル
初心者にとっては、満期まで保有する前提で債券を購入するのが基本スタイルです。そうすれば、市場価格の変動をあまり気にせず、安定的に利息を得られます。
また、物価連動国債など、インフレに対応した債券も存在します。こうした選択肢を検討することで、インフレ環境でも債券を活用した資産運用が可能になります。
まとめ：インフレ時は債券選びに慎重さが必要
インフレが強まる局面では、固定利付の債券は実質利回りが低下するため、投資判断に慎重さが求められます。しかし、国債などの信頼性の高い債券を償還まで保有すれば、価格変動リスクを抑えつつ安定した収益を期待できます。
分散投資の一環として債券を取り入れる場合も、金利動向やインフレ率を注視し、リスクとリターンのバランスを見極めましょう。
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