株式投資の中でも「信用取引」はリスクとリターンが大きく、正しい理解が求められる取引手法です。中には、信用取引を悪用して株価を操作しようとするケースもありますが、これは金融商品取引法に抵触する違法行為です。この記事では、信用取引と株価操作の違いや仕手株の特徴について詳しく解説します。
信用取引とは?基本のしくみと注意点
信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて売買を行う取引形態です。自己資金の約3倍までの取引が可能であり、利益も損失も拡大しやすい仕組みです。
例えば、現金100万円を元手に300万円分の株を購入できますが、株価が想定外に下落すれば、元本以上の損失が発生することもあり得ます。このような仕組みから「借金が膨らむ危険がある」と言われています。
株価を吊り上げる行為は株価操作に該当するか
信用取引の「空買い(買い建て)」を使って、株価をつり上げるような行為は、株価操作(相場操縦)として金融商品取引法で禁じられています。
例えば、実際に買う意図がないにもかかわらず、低い価格で買い注文を繰り返して板を厚く見せたり、見せ玉注文を繰り返すことで他の投資家を惑わせる行為は、「見せ玉」と呼ばれ、処罰対象です。
株価操作はどのように違法となるか?
株価操作の代表的な違法行為には以下のようなものがあります。
- 見せ玉:買う気がないのに注文を出して板を偽装する
- 仮装売買:自作自演で売買を繰り返し、出来高を偽装する
- 風説の流布:SNSや掲示板で虚偽の情報を流す
これらは金融商品取引法の第159条・第166条などにより厳しく規制されており、違反すると5年以下の懲役または500万円以下の罰金(法人は5億円以下)など重い刑罰が科されることもあります。
仕手集団とは?どのような銘柄を狙うのか
「仕手集団」とは、株価を意図的に操作して相場を乱高下させることを目的とした組織的なグループを指します。彼らが狙いやすいのは、以下のような特徴を持つ銘柄です。
- 出来高が少なく、浮動株が少ない銘柄
- 時価総額が小さく、影響を与えやすい
- 材料(新技術、提携、業績回復など)の噂が出やすい
たとえば、低位株や小型株は数千万円〜数億円程度の資金で株価を動かしやすいため、仕手筋が狙うことが多いです。ただし、仕手戦に巻き込まれると相場が急騰した後に急落し、一般投資家は損失を被るリスクが非常に高くなります。
個人投資家は株価を操作できるのか?
個人投資家が株価を操作できるほどの影響力を持つことは稀です。証券会社を通じた監視体制があり、注文履歴や約定記録は金融庁や証券取引等監視委員会によりチェックされています。
たとえ資金力があったとしても、不自然な注文の出し方や短期間での大量売買が行われれば、規制当局の調査対象となる可能性があります。
まとめ:信用取引のリスクと法令遵守の重要性
・信用取引は高いリスクとリターンを伴う投資手法であり、適切な知識と管理が不可欠です。
・株価を操作する目的での注文や売買は明確な法律違反であり、罰則も重く定められています。
・仕手筋が狙う銘柄には特徴があるものの、一般投資家は巻き込まれないよう慎重な対応が求められます。
・投資はルールに基づいて行い、不正に関わらない姿勢を貫くことが資産を守る最善の策です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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