テクニカル分析において『アセンディングトライアングル(上昇三角形)』は、価格の上昇継続を示唆する代表的なチャートパターンのひとつです。しかし、実際の相場は理論通りに動くとは限りません。特にゴールド(XAU/USD)は経済ニュースや金利の影響を受けやすく、パターンが不成立になるケースも少なくありません。
アセンディングトライアングルとは何か?
アセンディングトライアングルは、高値が水平に止まり、安値が徐々に切り上がっていく形を描くチャートパターンです。この形は、買いの勢いが強まっていることを示しており、最終的には上にブレイクする期待が高いとされます。
例えば、ゴールドが1950ドル付近で上値を抑えられながら、1900→1920→1935と安値が切り上がっていると、典型的なアセンディングトライアングルの形となります。
パターンが「不成立」と判断される条件
アセンディングトライアングルが成立しなかったと判断される主なポイントは以下の通りです。
- 上値抵抗線を明確にブレイクできなかった
- 切り上げていた安値を下抜けた
- トライアングルの期間を超えても方向感が出なかった
特に安値を大きく割り込んだ場合、そのパターンは「否定された」と解釈され、下落トレンドの兆候とされることが多いです。
ゴールド相場特有のリスク要因
ゴールドは安全資産としての特性を持っており、次のような要因で大きく動くことがあります。
- 米国の金利動向(利上げ=下落、利下げ=上昇)
- 地政学リスクの高まり
- ドルインデックスの動き
そのため、どれほど美しいアセンディングトライアングルを描いていても、ファンダメンタルズが否定すればパターンは崩れるのです。
実際のチャートでの確認方法
パターンの成立・不成立を判断するためには、次の視点を持ちましょう。
- 過去の高値・安値にしっかりとラインを引いてみる
- 切り上げの角度が維持されているか
- 移動平均線(20MA, 50MAなど)との位置関係
TradingViewなどのツールを使えば、パターンの経過とブレイクポイントを視覚的に確認できます。
アセンディングトライアングルが崩れた後の対応
パターンが崩れた場合、焦って再エントリーするよりも一度様子を見ることが重要です。以下のような対応策が有効です。
- 下落の勢いが強ければ、戻り売りを狙う
- 一定期間のレンジ入りを想定する
- 新たなパターンの形成を待つ(例:下降フラッグ)
無理に「型」にこだわるのではなく、相場の変化に柔軟に対応できる視点を持つことが成功の鍵です。
まとめ:パターン分析は“参考”に過ぎない
アセンディングトライアングルの形成を観察するのは重要なチャート分析の一部ですが、必ずしも予想通りの動きになるとは限らないのが相場の世界です。
特にゴールドはファンダメンタルズ要因が強く作用するため、チャートとニュースの両方を意識した分析が必要です。初心者の方は、まず「型が成立しないこともある」という前提でチャートを見る訓練をしていきましょう。

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