個人年金と新NISAのどちらを選ぶべき?損得と将来設計から考える家計戦略

資産運用、投資信託、NISA

個人年金保険を続けるか、途中解約して新NISAで積立投資に切り替えるかは、多くの人が悩むテーマです。特に「元本割れ」や「解約時の損失」など数字で見える不安があると、判断が難しくなります。しかし、年齢や家族構成、ライフプランに応じて最適解は変わります。本記事では、損得計算に加えて、安定性・成長性の両面から考え方を整理していきます。

個人年金保険の特徴とメリット

個人年金保険は、将来の年金不安をカバーするための「私的年金制度」として活用されています。定期的な積立で、契約時に約束された金額を将来受け取ることができるのが最大の魅力です。特に、返戻率や固定利率型の契約であれば、長く続けることで安定したリターンが期待できます。

また、保険料控除による税制優遇もあります。年末調整や確定申告で保険料控除が適用されるため、所得税や住民税の軽減にもつながります。

途中解約の損失とその影響

相談者夫婦の事例では、解約時にそれぞれ10万円以上の元本割れが発生しています。これは保険の「初期費用」や「手数料」が主な原因で、加入から数年では解約返戻金が払込額を下回ることは珍しくありません。

この段階での解約は、単純に「20万円損する」と見るか、「将来の成長機会への投資」と捉えるかで、考え方が変わります。

新NISAの魅力と注意点

新NISAは、2024年から制度が拡充され、非課税枠が大きくなったことで注目を集めています。株式や投資信託の運用益・配当が非課税になるため、長期投資に向いた制度です。特に、20年〜30年という投資期間を見込める35歳世代にとって、複利効果を活かした資産形成が期待できます。

ただし、NISAは元本保証がないため、相場の影響を直接受けます。リスクを分散するには、積立投資やインデックス型投信を活用するなど、適切な資産配分が必要です。

比較ポイント:元本保証 vs 資産成長

項目 個人年金保険 新NISA
元本保証 あり(長期契約時) なし
流動性 低い(解約損あり) 高い(いつでも売却可)
税制メリット 保険料控除 運用益・配当非課税
将来の利回り 固定的・低め 変動的・高成長期待あり

例えば、「安定重視」で確実に60歳から年金を受け取りたい場合は、個人年金継続の選択もありです。一方で、「リスクをとってでも資産を増やしたい」「柔軟な引き出しが必要」といった場合には、新NISAへの切り替えが有利になる可能性があります。

ライフプランに合わせた判断を

夫婦とも35歳前後ということは、20年以上の投資期間を確保できます。特にお子さんの教育資金が不要になる10年後からは、家計に余裕が生まれ、より積極的な運用が可能になるでしょう。そうした将来設計を見据え、「今どれくらいの流動性が必要か」「将来いくら必要か」から逆算して考えることが大切です。

また、どちらか一方に偏るのではなく、「個人年金を一部継続しながら、NISAにも分散投資する」といったハイブリッド戦略も現実的です。

まとめ:安心と成長、バランスを取る選択を

個人年金とNISA、それぞれに明確な長所と短所があります。損得だけでなく、自分たちの価値観や将来設計に合った選択をすることが何よりも重要です。解約による損失が気になるなら、まずは一部解約や今後の保険料支払いをストップして、新NISAに資金を振り向けるという柔軟な対応も検討してみてください。

どちらか一方を選ぶよりも、人生の節目に合わせて「組み合わせていく」考え方が、これからの時代の家計戦略にふさわしいと言えるでしょう。

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