株式投資をしていると、損切りをした後に再び同じ銘柄を買い直し、その後に利益を得るという売買を経験することがあります。このようなケースでは、売買益が課税対象となる一方で、損失がその場で相殺されないため、「ガチホ(長期保有)」していた場合と比べて税金面で不利に感じることも。この記事では、そうした株式売買に関する税金の理論をわかりやすく解説し、戦略的な視点をお届けします。
一度損切り後に買い直すと税制上どう扱われるのか
例えば、A株を1,000円で購入し、800円で損切りした場合、1株あたり200円の損失が確定します。その後、再度780円で買い直して1,000円で売却したとすると、今度は220円の利益が出ます。
この220円の利益には20.315%の譲渡益課税(所得税15.315%+住民税5%)が課せられ、税引後利益は約175円となります。一方、損切りした200円の損失については、その年の他の売却益と相殺できる可能性があります(損益通算)。
ガチホしていた場合と何が違うのか
もしこの株を売らずに1,000円まで回復するまで持ち続けていた場合、利益も損失も生じず、税金も発生しません。すなわちトータルでは±0円です。
一方で、途中で損切りして再エントリーすると、2回の取引に分かれるため、損失と利益がそれぞれ独立して課税計算されます。そのため利益部分だけに課税され、「なんとなく損した気分」になるのです。
損益通算と繰越控除の活用
実は、800円で売却して出た損失200円は、その年の他の譲渡益と相殺できる「損益通算」が可能です。たとえば他の銘柄で出た利益があれば、そこで相殺できます。
また、通算しきれなかった損失は「繰越控除」として、確定申告をすれば最大3年間持ち越すことができます。これを活用すれば、翌年以降の利益にかかる税負担を減らすことが可能です。
売買戦略としての「損切り→再購入」は悪なのか?
結論からいえば、税金だけで判断すれば「ガチホ」の方が有利に感じるかもしれませんが、株価が大きく下落した場面で一度損切りし、再び値ごろ感で買い直すという戦略自体は有効なケースも多いです。
むしろ、心理的なリセットや新たな視点での投資判断ができるという意味でも、一定の合理性がある手法です。
この分野に詳しいおすすめの学習サイト
株の税制や損益通算について詳しく学びたい方には、以下のサイトが参考になります。
これらのサイトでは、株の課税体系や確定申告の方法、損失の取り扱いなどが初心者にもわかりやすく解説されています。
まとめ:税金も含めたトータルでの戦略判断を
株式投資では、価格の動きだけでなく税金の影響も無視できません。一度の損切りが「損をした気分」になるのは避けられませんが、長期的な損益通算や戦略的再エントリーを活用すれば、決して無駄ではないのです。
むしろその判断こそが、初心者から一歩進んだ投資家へのステップなのかもしれません。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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