国民純生産(NNP)は、国民総所得(GNI)から固定資産消耗を引いたものです。この計算方法には特別な意図があり、単なる理論的な説明だけではなく、実際の経済の健全性を測るための重要な要素を含んでいます。この記事では、NNPを算出する際に固定資産消耗を引く理由について詳しく解説します。
国民純生産(NNP)とは?
国民純生産(NNP)は、国内外でのすべての生産活動を含めた総所得で、経済全体の健全性を測る指標です。NNPの計算には、国内総生産(GDP)に海外からの所得(GNI)を加算し、固定資産消耗(減価償却)を引いたものが用いられます。
NNPは、新たに生産されたものに加え、既存の資産がどれだけ価値を維持または減少したかも反映するため、経済の「純粋な」成長を測るために用いられます。
固定資産消耗とは?
固定資産消耗(減価償却)は、機械や設備などの生産に使われる長期的な資産が、時間とともに価値を失う過程を指します。簡単に言えば、固定資産消耗とは、経済活動に必要な物理的資産が劣化し、価値が減少することです。
例えば、工場の機械が毎年少しずつ古くなり、使用できなくなっていくことが固定資産消耗に当たります。これらの資産は、経済活動を支えるためには新たに交換したり、修理したりする必要があります。
なぜNNPの計算に固定資産消耗を引くのか?
NNPの計算において、固定資産消耗を引く理由は、経済の「純粋な」成長を評価するためです。固定資産が消耗しても、それ自体が経済成長を促進するわけではなく、逆にその消耗を補うために新たな投資が必要です。
したがって、もし固定資産消耗を引かずに計算すると、経済の実際の成長を過大評価してしまいます。消耗された資産の価値を引くことで、実際に新たに生産された価値のみがNNPとして反映されることになります。
例:機械が壊れたときの備えとしての固定資産消耗
質問にもあった通り、固定資産消耗は「機械が壊れたときのために備えて貯金しておく」というイメージで理解されることが多いです。この考え方は実際には非常に近いです。
例えば、企業が年に一定の金額を機械の交換や修理のために予算として計上する場合、それは固定資産消耗として経済活動に組み込まれます。消耗分を引くことで、機械が老朽化しても新たに投資していないと、純粋な成長としてカウントされません。
まとめ
国民純生産(NNP)の計算において固定資産消耗を引く理由は、経済の純粋な成長を正確に評価するためです。機械や設備などの固定資産が消耗することで、経済が実際に新たに生産した価値がどれだけあるかを測ることができます。固定資産消耗を無視してしまうと、経済の成長を過大評価してしまうため、この差引きは非常に重要な役割を果たします。

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