食料品の消費税が0%になったら?得する人・損する人を徹底解説

経済、景気

物価高騰が続く中で「食料品の消費税を0%に」という議論が注目されています。一見、消費者にとって朗報のように見えるこの政策ですが、実際に誰が得をし、誰が損をするのか、その構造を多角的に解説します。

消費税0%で恩恵を受ける人々とは

まず直接的な恩恵を受けるのは日常的に食料品を多く購入する家庭や低所得世帯です。例えば、月に5万円の食費を使っていた家庭は、消費税8%がかからなくなることで4,000円の節約になります。

また、外食チェーンやスーパーも「税抜き価格で安く見せやすい」ため集客に有利となり、消費促進効果も期待できます。

税収減による政府の懸念とは

一方で、政府にとっては大きな税収減となります。消費税収のうち食料品分は全体の約15〜20%を占めており、年にして数兆円規模。これが2年間0%になると、財政へのインパクトは極めて大きいです。

この減収分は、将来的な社会保障の財源圧迫や、他の税目への転嫁、または国債発行による負担増につながる可能性があります。

中小事業者や小売店は本当に得する?

事業者側にも影響があります。軽減税率制度と異なり、食料品の税率が0%になると、仕入れ時にかかった消費税(控除対象)を還付できなくなるため、実質的なコスト増になる可能性があります。

これは特に仕入れの多い飲食業や加工食品業者にとって大きな影響となります。

制度運用上の課題も見逃せない

たとえば「食品」と「非食品」の境界は曖昧な場合もあり、制度設計によっては混乱が生じる可能性があります。たとえば菓子類や調味料、添加物などは食料品に含まれるかという点が分かれ目になります。

また、レジシステムの改修なども必要となり、初期費用や労力が小売業界にのしかかることも想定されます。

海外の事例:食料品非課税の国も多いが…

たとえばイギリスやカナダでは、多くの食料品が非課税(または軽減税率)になっています。しかしそれでも制度は複雑化し、税務処理や店舗運営に課題が残っているという指摘があります。

このように、非課税制度が国民に優しい反面、政府・事業者への負担が大きいというジレンマが存在します。

まとめ:誰が得して誰が困る?

・一般家庭・低所得層:恩恵を強く受ける

・政府財政:消費税収の減少で苦しくなる

・飲食・食品事業者:税務処理や実質コストで負担が増える可能性

・制度設計と運用:区分や適用判断で実務の混乱も懸念

消費者目線では歓迎されやすい政策ですが、その裏では多数のステークホルダーに影響を及ぼします。将来の増税圧力や制度の複雑化を防ぐためにも、慎重な議論が求められています。

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