FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指す中高年層が増える中で、資産や住居をすでに確保している方にとって「完全FIREできるのか?」は非常に現実的なテーマです。この記事では、46歳・単身・持ち家・年金7万円予定・資産1億2000万円という条件をもとに、FIRE後の生活設計とリスクについて解説します。
基本条件の整理とFIRE後の支出設計
今回想定する人物像は以下の通りです。
- 年齢:46歳・単身男性
- 職業:不動産業(退職予定)
- 年金見込額:月7万円(70歳以降)
- 保有資産:金融資産1億2000万円 + 小規模企業共済1500万円(FIRE後受取)
- 持ち家あり、過疎地へ移住予定(費用3000万円)
- FIRE後の収益活動はしないが、農業・漁業を趣味として希望
- 70歳以降は月25万円の老人ホーム入居を想定
まず、移住費用の3000万円を差し引いた後の手元資産は約1億500万円。この資産を20〜25年間にわたり取り崩して生活する前提で考えます。
年間支出と資産取り崩しシミュレーション
仮にFIRE後の生活費を月20万円と設定すると、年間支出は240万円です。20年間で約4800万円、25年間で6000万円が必要となります。
さらに70歳以降、月25万円の老人ホーム入居費がかかるとすると、年間300万円。年金収入が月7万円(年間84万円)あった場合、不足分216万円を補う必要があります。85歳までの15年間で合計約3240万円となります。
合計すると、65歳までの生活費:6000万円、70歳以降の老人ホーム滞在費:3240万円 → 合計9240万円程度の取り崩しが想定されます。これに対し、手元資産は1億500万円あるため、一定の余裕があります。
投資戦略:インデックス一本化でも大丈夫か?
FIRE後は頭を使いたくないという希望から、インデックスファンド一本に集中したいとの考えは合理的です。特に全世界株式(例:eMAXIS Slim オール・カントリー)のような広範囲に分散されたファンドであれば、資産の成長とリスク分散が両立できます。
ただし注意点として、資産を定率で取り崩す「4%ルール」は市場環境によっては通用しない場合もあります。保守的なFIREでは「年間取り崩し2〜3%」を目安にし、現金比率や生活防衛資金(最低2年分)を確保しておくのが望ましいです。
リスク要因と対応策:インフレ・医療費・収益ゼロ
完全FIREで注意すべきリスクには以下があります。
- インフレによる購買力低下
- 医療費・介護費用の不確実性
- 資産運用の失敗(長期下落相場など)
- 予想以上の長寿
これらに対しては、「つみたて型医療保険」や「終身タイプの介護保険」などの検討も一案です。また、移住後の固定費の見直しや、将来的に趣味の農業・漁業を小さな現金収入に変える余地があると、さらに安心です。
実例:資産1億円でFIREした人のケース
実際に50歳で資産1億円でFIREした方は、年間支出を250万円以内に抑えつつ、世界株インデックスと現金の比率を「7:3」で運用。下落局面では現金を生活費に回し、資産の目減りを防ぐ運用を行っています。
また、地方移住によるコストダウン効果で生活の質を保ちながら支出を抑え、年2回の旅行を楽しむ余裕も維持しています。
まとめ:条件を満たせば、完全FIREは現実的
今回のケースでは、資産・支出・ライフスタイルのバランスから見て、完全FIREは十分に現実的と言えます。ただし、将来の変化に備えて、柔軟な資金設計やリスク管理策を講じておくことが重要です。
インデックス一本化でも、分散と生活防衛資金の確保があれば、神経をすり減らさずに安定したリタイア生活を送ることが可能です。無理のない支出計画と定期的な見直しを忘れず、心穏やかなFIREライフを実現しましょう。

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