米国株インデックス投資は、長期的な資産形成において高いリターンを期待できる手法として広く知られています。しかし、それを信用取引というレバレッジをかけた方法で積立てていくのはどうなのでしょうか?本記事では、信用取引によるインデックス積立の勝率やリスク、適切な使い方などについて詳しく解説していきます。
そもそも信用取引とは何か?
信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて取引する仕組みで、元手の数倍まで取引可能な「レバレッジ効果」が特徴です。たとえば、100万円の元手で最大300万円分の株式を購入することが可能です。
この仕組みによって、大きなリターンが得られる可能性がある一方、損失も同様に拡大し、元本を大きく超える損失リスクもあります。
インデックス投資との相性は?
インデックス投資は、S&P500やNASDAQ100などの指数に連動するETFや投資信託を定期的に買い続ける手法です。米国株市場は過去数十年にわたって右肩上がりの成長を続けており、長期であれば勝率は高い傾向にあります。
しかし、インデックス投資の本質は「長期・分散・低コスト」であり、短期の価格変動リスクをできるだけ低減するスタイルです。そこにレバレッジを加える信用取引は、本質的に相性が悪く、リスクが増大します。
信用取引で積立を行った場合のリスク
信用取引で米国インデックスを積み立てた場合、主に以下のリスクが発生します。
- 追証リスク:相場が下落し、含み損が一定水準を超えると追加保証金(追証)が発生し、資金を強制的に差し入れなければなりません。
- 強制決済リスク:損失が大きくなりすぎると、証券会社によって自動的にポジションが決済され、損失が確定します。
- 金利コスト:信用取引には買方金利がかかり、長期間保有するほどコストが嵩みます。
これらのリスクは、通常の現物投資にはないもので、長期投資としては非常に不利です。
「勝てる確率」はどのくらいか?
過去のS&P500のデータを見れば、20年以上の長期保有では90%以上の確率でプラスになっています。しかし、これはあくまで「現物で積立投資をした場合」の話です。
信用取引の場合、短期的な下落で強制決済が発生するリスクが高いため、長期保有前提の統計とは一致しません。つまり、信用取引で積み立てても最後まで保有し続けられない可能性が高く、勝率は大幅に下がることになります。
実例:コロナショック時の影響
2020年3月、コロナショックでS&P500は約1ヶ月で30%近く下落しました。現物投資であれば、その後の回復に乗ることができましたが、信用取引でレバレッジをかけていた投資家の多くは、含み損の拡大で追証や強制決済を余儀なくされました。
このような急落時に冷静にホールドできるメンタルと、追加の資金余力がなければ、継続は困難です。
どうしてもレバレッジを使いたい場合の代替案
もしレバレッジをかけたいのであれば、レバレッジETF(例:SPXLやTQQQなど)を少額で試す、CFD取引でリスクコントロールを徹底する、などの代替案もあります。ただし、どれも長期投資には向かないことを認識すべきです。
現物積立を基本とし、余剰資金のごく一部でレバレッジ投資を試す程度にとどめるのが、現実的で安全な選択肢でしょう。
まとめ:信用取引でインデックス積立はリスクが大きく非推奨
信用取引を使って米国株インデックスを積み立てることは、理論上リターンを増やす可能性もありますが、現実には高リスクであり、長期的な積立投資のメリットを損なう結果となりがちです。
勝てる確率を高めたいのであれば、やはり「時間を味方にする」現物での積立が王道です。信用取引は短期投資のツールと割り切り、長期資産形成には使わないという姿勢が重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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