ガソリン価格における税負担と供給曲線のシフトをわかりやすく解説|均衡価格98円からの動き

経済、景気

ガソリン価格には複数の税が上乗せされるため、ミクロ経済学の需要・供給分析においては、これらの影響をグラフ上で正確に理解することが重要です。今回は、均衡価格が本体価格で98円とされるケースをもとに、従量税と消費税が加わったときの供給曲線のシフトや価格の変化、均衡取引量の考え方について解説します。

均衡価格98円とは何を意味するか

均衡価格とは、需要曲線と供給曲線が交差する点の価格を指し、それは市場での「取引価格」と一致します。ここでの98円は、税金が一切課されていない「本体価格」での均衡点であり、このときの供給と需要が一致する数量が「均衡取引量」です。

この状態をグラフで表すと、需要曲線と供給曲線が98円で交差しており、この交点の縦軸が価格、横軸が取引量を示します。

従量税(56.6円)の影響と供給曲線のシフト

従量税(揮発油税や地方揮発油税などを合算)が加わると、供給者にとっては1リットル供給するごとに56.6円のコスト増となります。これは、供給曲線が「上方(価格軸方向)に垂直に56.6円分」シフトすることを意味します。

この新しい供給曲線と需要曲線との交点は、98円+56.6円=154.6円の価格に移動します。つまり、消費者が支払う価格は154.6円になって初めて、供給側が本来の98円で売っている感覚になります。

さらに消費税(10%)が課された場合の価格の変化

ここに消費税10%が加わると、消費者が実際に支払う価格は以下のように計算されます。

最終支払価格 =(本体価格98円+従量税56.6円)×1.1=約170.06円

このように、供給曲線はまず垂直方向に56.6円移動し、さらに価格に10%を掛けるという形で、消費者側に価格上昇の影響が及びます。そのため、新たな均衡点は価格が170円付近にある位置となり、需要量は減少します。

均衡取引量の変化について

供給曲線が上方にシフトし価格が上がると、消費者はより高い価格でガソリンを購入しなければならなくなります。その結果、需要は減少し、均衡取引量も減少します。

ただし、問題文には具体的な需要関数が与えられていないため、正確な均衡取引量の数値は特定できません。しかし、図としては「元の均衡点よりも高い価格かつ少ない数量」の位置に新しい均衡点が現れることは明らかです。

グラフの描き方のポイント

  • 横軸:取引量、縦軸:価格とする
  • 供給曲線をまず98円の均衡点に設定
  • 供給曲線を上に56.6円だけ平行移動
  • 移動後の供給曲線からさらに消費税10%分の垂直価格引き上げを考慮

最終的に、供給者は従来通り98円で売るが、消費者は170円支払う構造になります。

まとめ:ガソリン価格と税の影響をグラフで可視化しよう

ガソリンの価格は、本体価格に加えて従量税と消費税が上乗せされることで、需要供給グラフに大きな変化をもたらします。供給曲線は上方にシフトし、その結果、価格は上がり、均衡取引量は下がります。

このように、税が市場に与える影響を理解することは、政策評価や生活設計にも役立ちます。ミクロ経済学の基礎を押さえて、グラフから税の影響を直感的に読み取れるようになりましょう。

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