FXで高金利通貨を保有してスワップポイントを狙う戦略は、特にトルコリラや南アフリカランドなど新興国通貨で人気があります。しかし長期保有による為替変動リスクは見逃せません。本記事では「スワップポイントは通貨の価値が下がるとどうなるのか?」という疑問に答える形で、仕組みや注意点をわかりやすく解説します。
スワップポイントとは?その基本をおさらい
スワップポイントとは、2つの通貨間の金利差を反映して支払われる日々の金利収益です。高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで金利差分の収益がもらえます。
例えば、トルコリラ(高金利)/円(低金利)の買いポジションを持っていると、ポジションを保有している間は毎日一定のスワップが得られます。
為替レートが変わるとスワップはどうなる?
結論から言えば、スワップポイントの金額は「保有通貨量 × スワップポイント単価」で計算されるため、ポジションを変えなければ通貨価値が下がってもスワップ額は変わりません。
ただし、それはあくまで「通貨建て」で固定されたスワップが得られるという意味であり、円換算では価値が大きく下がる可能性があります。例えば、1万トルコリラで年10万円のスワップがもらえると仮定した場合、トルコリラが10分の1の価値になれば円換算のスワップは約1万円になる計算です。
実例:10年間で為替が10分の1になったら
たとえば、年10万円(=毎日約273円)のスワップを得られる1万トルコリラを保有していたとします。10年間保有すると、通貨量は固定のため理論上は100万円分のスワップポイントがもらえる計算です。
しかし、10年後にトルコリラの価値が10分の1になった場合、そのスワップも円換算では1/10の価値しか持たず、実質的な利益は大幅に減少することになります。
なぜスワップポイントだけを目当てにすると危険なのか
スワップポイント狙いの投資は「日々の収益」に目が行きがちですが、最大のリスクは為替損です。保有通貨が下落すればスワップで得た利益以上に為替差損が発生し、トータルでは損失になることも。
過去には、トルコリラやアルゼンチンペソなどで、スワップポイントを得ながらも為替暴落で大損した投資家が少なくありません。
スワップ戦略に必要な心構えと対策
- 為替ヘッジ:為替変動リスクを抑える手段も検討。
- 分散投資:一通貨に集中しないようにする。
- ポジション量の管理:証拠金維持率を確認して余裕を持つ。
- 政治リスク・インフレ率の把握:トルコなど新興国では特に重要。
まとめ:スワップだけに頼らない長期戦略を
スワップポイントは魅力的な収益源ですが、長期保有では為替リスクによるダメージが大きくなる可能性も。特に10年という長期スパンでは為替の変動幅が予測困難であり、通貨の価値が大幅に下落するリスクも高まります。
スワップ狙いの投資を行う場合は、スワップ額だけでなく為替変動・インフレ・政策リスクも視野に入れた総合的な判断が必要です。初心者の方は少額から始め、常にリスク管理を心がけましょう。

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